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  • Dirty Computer Janelle Monáe by AKIHIRO AOYAMA May 11, 2018 1
  • This Is America Childish Gambino by AKIHIRO AOYAMA May 11, 2018 2
  • Ye VS the People (starring T.I. as the People) Kanye West by AKIHIRO AOYAMA May 11, 2018 3
  • No Tears Left To Cry Ariana Grande by AKIHIRO AOYAMA May 11, 2018 4
  • Genius feat. Sia, Diplo, Labrinth LSD by AKIHIRO AOYAMA May 11, 2018 5
  • ここ数年、女性やLGBT、カラードといった人々による社会運動がエンターテイメント業界を大きく揺れ動かしているのは、周知の事実。それに先駆けて、5年も前からマイノリティのエンパワーメントをテーマに活動してきたアーティストこそがジャネール・モネイだった。彼女の最新作『ダーティ・コンピューター』は、これまでの「メトロポリス」シリーズに属さない初めてのアルバムとなっているが、内に秘められたメッセージは全くブレていない。そこに込められた意味は、アルバムを補完する形で公開された、自身が「エモーション・ピクチャ」と呼ぶ50分弱の短編映画を見ればすぐに理解できるはずだ。彼女が自ら演じるアンドロイドの名前は、シンディ・メリウェザーではなくジェーン。つまり、変革をもたらすリーダーではなく、ありふれた名の女性。音楽面のみならず、ダーティ・マインドという単語や空を舞う鳩など、端々にプリンスへのオマージュを覗かせながら、彼女は全てのはみ出し者に向けて優しく力強いメッセージを投げかけている。

  • ジャネールの最新作でラストを飾った“アメリカンズ”では、オバマ前大統領のスピーチにインスパイアされたスポークン・ワードが引用され、ストレートなメッセージを伝えていた。曰く、「これは私のアメリカではない」。それは一体どんなアメリカなのか? チャイルディッシュ・ガンビーノの新曲は、その答えの一端を鮮烈に見せてくれる。アコースティック・ギターのアルペジオとゴスペル・クワイアが美しい世界を形成していくと思った矢先、彼らは銃で撃ち殺され、突如として不穏なベースが世界を暗く塗り替えていく。ジャネールがSFの世界観の下で描いたのがアメリカの理想だとすれば、これがアメリカの薄汚れた現実だ。前作『アウェイクン、マイ・ラヴ!』とドラマ『アトランタ』の成功で、アフリカン・アメリカン界を代表するアーティストとしての地位を確たるものとしたチャイルディッシュ・ガンビーノ/ドナルド・グローヴァー。彼が描くアートは、今のアメリカを鋭く辛辣に射抜いている。



  • 2016年末のメンタル・ブレイクダウン以降、久しぶりにTwitter上に現れたかと思えば、トランプ大統領への支持をツイートして大炎上。相変わらずのお騒がせ野郎っぷりを発揮して、音楽好き以外にはただの狂人としか思われていないようにも見えるが、こと音楽の才能にかけては、カニエ・ウェストが当代随一の天才だという事実は誰にも否定できない。6月に、ソロの新作『ラヴ・エヴリワン』と、キッド・カディと組んだキッズ・シー・ゴーストのアルバムの計2作品を発表するとアナウンスされている彼の最新トラックがこの曲。同時に公開された“リフト・ユアセルフ”は、そのナンセンスなリリックばかりが嘲笑されているが、トラックは完璧な仕上がりだった。そして、こちらもまた最高なトラックに乗せて、人々の代表としてのT.I.とカニエが彼の政治的スタンスに関して激論を交わすという内容になっている。自らの言い分をクリアにしつつ、T.I.に至極真っ当な突っ込みを入れさせていることで、ヘイターの溜飲も下がるだろう。

  • 人は苦難を乗り越えて強くなる。ありふれた言葉だが、今のアリアナ・グランデを見ていると、それは本当のことなのだと実感する。昨年5月、英マンチェスターで行った公演が自爆テロの標的となり、悲しみにくれる姿がここ日本でも大きく報道された彼女。だが、その直後に行ったチャリティー・コンサート『ワン・ラヴ・マンチェスター』で彼女は失意を振り切り、再び歩み始めた。そして、この新曲“ノー・ティアーズ・レフト・トゥ・クライ”。「もう一滴の涙も残ってない/だから元気を出さなきゃ」と歌われるこの曲は、本当に苦難を経験して、もう一度立ち上がった彼女だからこそ説得力を持って歌うことの出来る一曲となった。うっすらUKガラージのフィールを加えたディスコ・ビートも、フックの強いソングライティングも、あらゆる要素がポップ・ソングとして理想的。彼女がどれだけ年を取っても歌い続けるだろう、真の代表曲の誕生だ。

  • 最近のEDMシーンにおけるヒット曲を見ていると、プロデューサーとシンガーのコラボレーションが「フィーチャリング」という表記から「&」や「×」といった表記へと変化しつつあることに気付く。プロデューサー主導から、より対等なコラボへの変遷というのは、昨今の分業制ポップス全盛の傾向とも密接に関係しているのだろう。近年はウィークエンドの作品に参加するなど、ソングライター/プロデューサーとしての活躍も著しいイギリス出身のラビリンス。オーストラリア出身の超売れっ子シンガーソングライター、シーア。言わずと知れたエレクトロニック・プロデューサー、ディプロ。この3人が組んだスーパー・グループも、そういった流れを踏襲した形と言える。ただ、単発のコラボではなく「LSD」というグループ名を付けて恒常的な活動を始めたという事実からは、彼らの確かな手応えも感じられる。ラテン・テイストを隠し味にしたミドル・テンポのトラックと、ダイナミックなラビリンス&シーアの歌が絡み合うこのデビュー曲を聴く限り、これからのグループの発展には大いに期待できそう。

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