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  • REALiTi Grimes by JIN SUGIYAMA March 20, 2015 1
  • Picture This Kero Kero Bonito by JIN SUGIYAMA March 20, 2015 2
  • Glass City Billiards PARKGOLF by JIN SUGIYAMA March 20, 2015 3
  • Butter Sugar Cream Tomggg by JIN SUGIYAMA March 20, 2015 4
  • Magic Echo Timid Soul x P.SUS by JIN SUGIYAMA March 20, 2015 5
  • 『ヴィジョンズ』でのブレイク以降世界ツアーに乗り出したグライムスが、アジアのファンへの感謝を伝えるために公開した未発表曲のデモ音源がこれ。映像をディレクションしたのも彼女自身で、彼女が訪れたアジア圏での様々な風景が使用されている。PCにデフォルトで入っていたガレージバンドで制作され、初期の実験的な作風を脱した前作『ヴィジョンズ』に続き、ここで彼女が試みているのも、“ポップとエッジとの奇妙なバランス”。つまり、クリエイティヴィティを保ちながら、宅録然とした作風をいかに脱するかということ。その結果、初期の頃と比べてビートが増強され、オリエンタルな魅力を持ったメロディも正面切ってポップに。ある世代にとってのマドンナやビヨンセになれるかもしれない才女が、これからポップ・シーンの中心にどう切り込んでいくのか。そのヒントが垣間見える好曲だと思う。

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    昨年アルバム・デビューを果たしたロンドンの3人組の音楽の絶対的な支柱は、英語と日本語の両方でラップから歌までを横断するサラ・ボニトのヴォーカル。実際に聴いてもらえば分かる通り、この歌声は世界でも比較対象が見つからないほどオリジナルだ。ただ、その個性が強すぎるために、トラックからはやや平凡な印象を感じていた人もいたんじゃないだろうか。実際、サラ・ボニトが客演したマクロスMACROSS 82-99や©OOL JAPANの楽曲にこそ魅力を感じた人も少なからずいたはずで、正直に言えば、自分もその辺りを少し残念に思う気持ちがあった。けれどもこの新曲では、彼らの弱点だったトラックそのものの魅力が、飛躍的に上がっている。ローファイかつトイポップ風だった以前に比べて洗練されたビートと、イントロで心を掴まれるオリエンタルで浮遊感のあるシンセ・フレーズ。そこに自撮りをテーマにしたヴォーカルが有機的に絡み合い、「国境を越える」ではなく「最初から国境なんて存在しない」かのような、彼ららしいユニヴァーサル・ポップが展開されています。

  • そんなケロ・ケロ・ボニトの面々と、先日ロンドンで行なわれた〈マルチネ・レコーズ〉関連のイベント〈POKO Vol.1〉で競演したことも記憶に新しい北海道のPARKGOLFは、近年ますます活躍の舞台を拡大。2月に配信リリースした“Kiss Me”がiTunesのエレクトロニック・チャートで1位を獲得し、3月末に発売されるDAOKOのメジャー・デビュー作では3曲にプロデューサーとして参加するなど、tofubeatsやSeiho & Avec Avec(Sugar’s Campaign)に続いて、日本の若手トラックメイカーの中心人物の一人になりつつある。そしてこの曲は、いよいよ4月8日に〈Day Tripper〉からリリースされる初アルバム、『Par』からの一曲。ヒップホップとエレクトロニック・ミュージックを基調に、極端に音数の少ない“レス・イズ・モア”的な方法論と不思議な音の配置を生かして、Seihoにも通じるスムースで洗練された前衛R&Bを展開。情報を詰め過ぎないことで逆に一音のインパクトや切れ味が際立って聞こえてくるような、セクシーなキラー・チューンになっている。

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    ロンドンの〈PCミュージック〉が金属的な音とキャッチーなメロディをかけ合わせてネット世代の新しいレイヴ/ポップ・ミュージックを作っているのに対して、彼らが影響を公言するkawaiiカルチャーの本場日本における注目のトラックメイカーと言えば、やはりこの人。10年代的なビート・ミュージックがディズニーランドに迷い込んでしまったかのような、もしくはスイーツの世界に紛れ込んでしまったかのような、エッジと愛くるしい雰囲気をあわせ持つその音は、聴く人によってkawaiiポップにも、最先端のビート・ミュージックにも、その両方にもなる。〈フェイデッド・オーディオ〉からリリースされた初フィジカルEPのタイトル・トラックには、お馴染みのエディットしまくった声ネタに変わり、ヴォーカリストとしてtsvaciが参加。彼女のウィスパー・ヴォイスを中心に据えることで、過去に〈マルチネ〉などから発表した楽曲と比べても、曲にふくよかな雰囲気が加わっているようにも感じられる。EP全編にはロンドンのラッパー、フェニックス・トロイや、ブルックリンのポップ職人Maxoも参加。初回限定版はお菓子の箱をモチーフにした特殊紙パッケージで、開けるのが超楽しいですよ。

  • もったりしたヒップホップ・ビートを基調にソウル/ジャズ、R&B、エレクトロ、J-POP、TVゲームのBGMなどが自然に溶け合った情報過多で色彩豊かなトラック。そこに、海外でMaxo“ハニーベル”などを筆頭に近年急増するボカロを取り入れた歌ネタが乗り、気付けば後半はジューク/フットワークを模したビートも挿入されていく。米ミシガンのティミッド・ソウルと、ピッツバーグのP.SUSがコラボした新曲は、たとえば初音ミクが米人気TV番組『ザ・レイト・ショー・ウィズ・デヴィッド・レターマン』に出演したりする今ならではの、国籍/ジャンル不問の一曲。比較文化的に見れば、90年代にアメリカで人気を博したポケモンやセーラームーンを幼少期に観て育った世代が成長し、ジャパン・カルチャー的な要素を自然にブレンドさせて音楽を作り始めていると考えることも出来る。けれどもこうした異文化の交配は、日本×欧米間だけではなく、その他のあらゆる国と国との間にも起こりつつあること。そんな10年代の雰囲気が凝集された、どこまでもスウィートなエレクトロ・ソウル。

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