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  • Submarine feat. Blaine Harrison The Shoes by MASAAKI KOBAYASHI November 24, 2015 1
  • Kill It 4 The Kids feat. AWOLNATION & R.City Kill the Noise by MASAAKI KOBAYASHI November 24, 2015 2
  • Tan LAFAWNDAH by MASAAKI KOBAYASHI November 24, 2015 3
  • Vilaine odezenne by MASAAKI KOBAYASHI November 24, 2015 4
  • Refugees In (at Banksy's Dismaland) Pussy Riot by MASAAKI KOBAYASHI November 24, 2015 5
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    水(液体)のイメージは間違いなく含まれているし、シンプルゆえにいくらでも解釈の余地があるとはいえ、シューズの書いたたった4行ほどの歌詞の曲を、ここまで膨らませてしまうとは……。他人に対して、超能力を使って、鼻血を出させたり、血管を隆起させてしまうのは、デ・パルマやクローネンバーグの映画でも目にしたわけだが、ここに出てくる2人は悲惨だ。女性は自分の肉体を全くコントロール出来なくなってしまったようだし、男性は自分の感情を一切表現できなくなってしまったようだ。しかも、よく見ると、2人以外の周囲の人間たちには、文字通り顔がない。それでも、男の體には血が流れているし、巨大な(筋)肉や生命を断とうとしている彼女を幻視してしまう。

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    ニューヨークのキル・ザ・ノイズが、〈OWSLA〉からリリースしたアルバムに収録されているトラップ、というか、これは、ニューオリンズ・バウンスに近づきすぎたトラップだろう。ここで使われているクレイ・アニメは、素朴な味わいを出したり、自由な変形表現の手段としてだけでなく、今や、実写で表現してしまうと、観る側が正視出来ないほど残虐な描写の、ある種の代替手段として使われることが増えている。そういった2つの特徴が、「子供たちのために殺ってやる」というタイトルを持つこの曲のMVでは、十二分に活かされている。ここでは、大量消費社会がいかにして作られていくのか、について、ベース・ドロップにも呼応し、子供たちを巻き込みながら、簡潔に描写しつつ、随所に強烈なメッセージを盛り込んでいく。少なくとも、このMV制作に喜々として参加した人たちは、ドナルド・トランプなんてこの世から消えてしまえ(かつら! を除く)と強く念じていたに違いない。

  • カラオケのマイクを握って、この曲を歌い出す女性をフレームに収めようとしているのに、どうにも不安定なキャメラだけでも、この先の予想できない展開の予兆としても十分だが、主役のラフォンダは、彼女の横に座っているだけ……と思いきや、ブレイクでいきなりフラメンコとソカが混じり合ったようなビートに一変し、ダンス、そのスタイルも、いつのまにか椅子を使った(ピナ・バウシェとはまた違う)官能的なものとなり……。〈ワープ〉と契約したばかりで、テへラン生まれフランス育ちで英語で歌うラフォンダが、ガダループで録音し、昨年発表したEPでは、ズークの新解釈的なサウンドが際立っていた。〈ワープ〉側としては、エレクトロニックなビートと中近東的な音階や音楽を融合させたムスリムガーゼを彼女の引き合いに出している。が、来年リリース予定のEPの表題曲である、この“Tan”は、デューク・エリントンによる1941年のミュージカルで、アンクル・トムのような紋切り型の黒人を完全に捨て去り、リアルなブラック・アメリカンそのものを登場された“Jump for Joy”の基調となった“Sun-Tanned Tenth of the Nation”への目配せ(Tan=日焼け)だという。ということで、この先、ますます何が出てくるのかわからなくなってきた。

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    オドゥゼンヌは、ラップ・フランセの4人組(2MC+DJ+マニュピュレーター)。つい2年ほど前までは、マッドリブのビートでライムするような人たちだったが、この曲を含む11月にリリースされたばかりの新作では、サウンド面では、いわゆるヒップホップらしい要素は、かなり抜け落ちてきていて、そのあたりの面白さで聴かせる。このMVで表現されているのは、3番目のヴァースに出てくるアルコール(酒)から連想した、酩酊中のヴィジョンなのかもしれない。三面鏡にレンズをつけて、同じ一つの被写体を捉えたかのような複数の映像を、境目もないほどぴったり並べて映し出してしまうことで、独特の空間(これを求めていたのかもしれない)が生まれている。また、これがあくまでも、鏡像であることを強調したかったのか、オチは1947年の名作『上海から来た女』(オーソン・ウェルズ監督)の一場面を連想させるものとなっている。

  • 9月27日をもって、惜しまれながら閉園したUKのディズマランド。このアート・プロジェクトのスローガンは、最大限の失望を体験することだった。プッシー・ライオットとしても、その点を強く意識しながら、現地でライヴを行なったはず。まず、彼女たち自身が檻に入れられている設定だし、目の前では、警官隊と若者たちが激しく衝突し、警官隊が優勢だ。このMVを撮った監督は、実際の暴動を撮影した経験もあるそうだが、編集は巧みだ。ところが、曲の終盤に差し掛かる頃には、形勢は逆転。このままでは、このMVを観ている側は失望しないのでは……と思っていると、ディズマランドなのに、まるで、ディスニーランドのシンデレラ城周辺で打ち上げられているような景気のいい盛大な花火、それに続いて、周辺を巡回する呑気そうな騎馬警官のショットが映し出されて、このMVは終わる。この最後の二つの映像によって、ディズマランドに対する失望、そして、失望するはずのディズマランド内で、このMVを通じて、警官隊の生け捕りに成功したことが原因で、格段にレヴェルの違う(あるいは異質な)失望に覆い尽くされた現実へと、引き戻されることになるのだ。

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