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  • So Blonde EMA by JUNNOSUKE AMAI March 07, 2014 1
  • Chorus Holly Herndon by JUNNOSUKE AMAI March 07, 2014 2
  • Prisms of Glass feat. Nite Jewel + Julia Holter Linda Perhacs by JUNNOSUKE AMAI March 07, 2014 3
  • Red Seal Gobby by JUNNOSUKE AMAI March 07, 2014 4
  • Total Free Croatian Amor by JUNNOSUKE AMAI March 07, 2014 5
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    3年前に『スピン』が企画したニルヴァーナの『ネヴァーマインド』のトリビュート盤。ヴァセリンズやミート・パペッツからタイタス・アンドロニカスやサーファー・ブラッドまで新旧アーティストが参加したなか、強烈だったのが“エンドレス・ネームレス”を完コピしたEMAだった。もっとも、前後してリリースされた2ndアルバム『パスト・ライフ・マーターレッド・セインツ』で頭角を現し、金髪のトラッシーなノイズ・ポップがロイヤル・トラックスのジェニファー・ヘレマも彷彿させたEMAことエリカ・M・アンダーソン。そもそもはガウンズというバンドで煙たいドローン・フォークを歌っていた経歴だが、2010年に〈ナイト・ピープル〉からリリースされたカセットを機にソロ・アーティストとして再登場した彼女は、同時期に同じくUSアンダーグラウンドから大挙したシンセ系女性アーティスト達を抑え、サウンドも、ハクいルックスも断トツに存在感を放つものだった。この“ソー・ブロンド”は、来月リリースされる3rdアルバム『ザ・フューチャーズ・ヴォイド』から公開された2曲目のリード・トラック。彼女のイメージ的には、先行した“サテライツ”のディストーション&ドローンなダークウェイヴの方が似つかわしい気がするが、このヴェニス・ビーチを背景に肉厚なノドを震わせるロッカ・バラードも好対照でいい感じ。ガラの悪いスカーレット・ヨハンソンみたいだな。

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    最近ユーチューブにアップされたセイント・ヴィンセントのライヴ映像を見ていて目に留まったのが、彼女の動きだった。「葬式でかけても踊りだしたくなるレコード」という最新作『セイント・ヴィンセント』のナンバーを、彼女は時おりポーズを交えながら演奏しているのだけど、その動きが絶妙にぎこちない。彼女のステージングといえば大概、十八番のギター・ソロを除けば印象に残るアクションはないと思うのだけど、その映像で見た動きは、いわゆるアクティヴとは別の、パフォーマティヴ(遂行的)という表現がふさわしいものだった。あえてぎこちなく踊ることで、その違和感が逆に身体の動きを特徴づけ、モーショナルなイメージを喚起させる、というか。その彼女の動きは、かつてベックが『オディレイ』制作時に着想した“逆ファンク”なるキーワード、いわく「ぎくしゃくしてたほうが、よりファンキーに見える。身体を硬くして、できるだけぎこちなく踊る。それがファンキーに踊るコツなんだよ」という白人ファンク解釈を思い起こさせたが、それはさて置き。そんな彼女が、最新作のツアーの共演者として発表した一組が、このホリー・ハーンドン。赤毛の三つ編みが麗しいベルリンの女性アーティストだが、称賛された2年前のアルバム『ムーヴメント』に続く新たな音源が、先頃ニューヨークの〈Rvng Intl.〉からリリースされた2曲入りのEP『コーラス』。特徴的なヴォーカルのチョップ&コラージュをエレクトロニクスに編み込み複雑にエディットされたハーンドンの音楽もまた、つまり身体性と造形性の境界線を捉えた表現といえそうだ。そして、この表題曲ではまるで、ビョークの『メダラ』とOPNの『アール・セヴン・プラス』の間をモーフィングするような自由を披露している。たとえばローレル・ヘイローと比較されることも多いハーンドンだけど、おそらく来るニュー・アルバムでその評価は絶対的なものとなるはず。

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    先頃、じつに44年ぶりとなる2作目のニュー・アルバム『ザ・ソウル・オブ・オール・ナチュラル・シングス』を発表したリンダ・パーハクス。往年のファンにとってはリリース自体がひとつの事件だったわけだけど、最近のリスナーにとってそのこと以上に関心を惹きつけたのは、アルバムの共演者にクレジットされたジュリア・ホルターとナイト・ジュエルことラモーナ・ゴンザレスの名前だったのではないだろうか(リリースはスフィアン・スティーヴンス主宰〈アスマティック・キティ〉)。ホルターは5年前に、パーハクスを慕う地元ロサンゼルスのアーティストが集ったトリビュート・イヴェントに出演し、その後もサポート・メンバーとして公演に帯同。復帰の呼び水となった2007年のデヴェンドラ・バンハートのアルバム『スモーキー・ロールズ~』へのゲスト参加もそうだが、パーハクスにとっては地元の若い世代のミュージシャンとの交流が新たな創作の活力となったようで、前述のイヴェントには出演しなかったがリスペクトを公言していたゴンザレスにも何かの縁で声が掛かったのかもしれない。ところで、その44年前のデビュー・アルバム『パラレログラムス』の制作時を振り返った「サイケデリック・ベイビー」のインタヴューで興味深かったのは、アシッド・フォークの名盤と語り継がれる同作において、当時パーハクスがマルチ・レイヤーのハーモニーと音響的な造形を意識した「三次元的(three-dimensionally)」な音作りを構想していた、というエピソードだった。ホルターとゴンザレスのディスコグラフィを踏まえれば、そこにパーハクスが両者を起用した意図は明白だろう。そんな三つ巴が実現したこの“プリズムズ・オブ・グラス”は、パーハクスにとって44年越しの実験の続きなのかもしれない。

  • これを書いているついさっきフリーで公開された元ギャング・ギャング・ダンスのティム・デウィットのプロジェクト、ダッチ・E・ジャームのアルバムをダウンロードしようと辿った先にニューヨークのレーベル〈ウノNYC〉のリンクが貼られていて、そういえば……と思い出したのが、このゴビーのこと。ハイプ・ウィリアムスのライヴ・バンドでドラムを叩いたり、ミッキー・ブランコやリーフ(LE1F)へのトラック提供で名前を売り、昨年ミックス・テープが話題を集めたアルカやSFVアシッドもリリースする同レーベルがフックアップしたビート・メイカーだ。かなり錯綜した作風だが乱暴に言ってしまえば、ジェームス・フェラーロやザック・ネルソンを結んだ同一線上にヴェイパーウェイヴとインダストリアルとゲットー・ハウスが邂逅したような匿名性の高いスタイルで、とくに昨年フリーでデジタル・リリースされたEP&コンピには大いに楽しませてもらった。というわけで、これはリリースが控えるニュー・アルバム『ウェイキング・スラスト・フォー・スリーピング・バンヒー』のリード・トラック。まるで箱庭療法のためのヒプナゴジック・ポップ!?

  • 最近した大きな後悔といえば、2月に来日していたウォー(Vår)とラスト・フォー・ユースのライヴを観逃したことで、というのも、個人的にいま最も気になる場所のひとつがデンマークのコペンハーゲンだから。近年におけるコペンハーゲンの新星といえばアイスエイジが筆頭に挙げられるが、正直サウンドに関してはあまり惹かれなかったのだけど、彼らがジンを作るなどした地元のDIYなユース・カルチャーの吹き溜まりから登場したという話を何かでチラ読みして以来、同地の音楽シーンのことが密かに気になっていたのだ。ちなみに、ウォーはアイスエイジのエリアス・ベンダー・ロネンフェルト(Vo)と、コペンハーゲンのアンダーグラウンド・シーンの旗艦レーベル〈ポッシュ・アイソレーション〉を主宰するローク・ラーベックがメンバーの4人組で、ラスト・フォー・ユースは新加入したロークが片割れのデュオ。そして、エリアスとロークによるプロジェクトが、このクロアチアン・アムールだ。耳障りなアンビエント、オブセッシヴな性愛のイメージ、モノローグ、こと切れたノイズ……収録された最新作『ジェニタリア・ガーデン』というタイトルは「性器の園」を意味するものだが、彼らの作品の多くはインナースリーブに「Croatian Amor is 1989」と記されているといい、つまり、ユーゴスラビア統治下の社会主義共和国時代のクロアチアと絡めた何らかのメッセージがそこには仄めかされている、のかもしれない。「死の工場からの音楽」と謳われたのはスロッビング・グリッスルだったが、クロアチアン・アムールもまた、その音楽はどこか陰惨で退廃的な原風景を想起させるものだろう。

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