フォーク、パンク、ロカビリーを横断する、ストリートの若き哲学者。いや、もはや説明は不要でしょう。我らがジェイク・バグがとっとと2ndアルバムを作っちゃってます。11月第三週には出ちゃうよん。タイトルは『シャングリラ』。要するに、理想郷、ユートピアってこと。勿論、痛烈な皮肉でしょうね。でもって、アルバムのプロデュースがリック・ルービンということは、とにかくドカーンと演奏して、じゃんじゃん録っていくということ。ラフな演奏と生々しい録音が期待出来るんじゃないでしょうか。
改めて確認です。もう1stシングル“What Doesn't Kill You”にはぶっ飛びましたか? いやあ、ピート・トーマスの太鼓、最高ですね。勿論、エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズの人ですよ。曲の長さはほぼ2分きっかり。あまりに短すぎて、PV冒頭で曲の説明をしてます、バグやん。3つのパワー・コードが織りなす、アークティック・モンキーズの1stアルバム風リフが牽引するヴァースから、裏打ちのスネアという常套句でビシッと締めるミドルエイトを経て、どかーんとコーラスに突入します。かっけー!
リリック的には、1stヴァースでは、深夜に友人と二人で出掛けたら、友人が二人の暴漢にさらわれてしまう顛末を、2ndヴァースでは、ある日、忽然と自分の目の前から消えうせてしまった愛する女性を失った悔恨を綴っています。にしても、それぞれのヴァースでどちらも「double up」という言葉を使いながら、1stヴァースでは友人がぶん殴られて、思わず身をよじるさまを、2ndヴァースでは愛する女性が心を閉ざしてしまうさまを描いていたりするのには、いやあ、もう、ほれぼれしちゃいます。かっけー!
でもって、コーラス冒頭では、タイトルが登場します。これ、ニーチェの言葉ーー「What doesn't kill you makes you stronger」の引用でもあるのかな。つまりは、唐突に訪れる不可避な悲劇を前になすすべもなく立ち尽しながら、でも命を絶たれることもなく、無様に生かされてしまったキャラクターを描いているというわけです。ふふ、これって誰のことかしらん♡ だが、勿論ここに余計な情感はなく、からっからに乾いたまま、すべてを突き放すように歌うスタイルはまさにジェイク・バグ。これぞまさに、逆しまのシャングリラ。こりゃ、マジかっけーな、バグやん!
果たしてこの曲がどういうメッセージを発しようとしているのかは、皆さんひとりひとりが考えて下さい。にしても、アルバムの露払いとしては完璧でしょう。いやあ、かっけーなー、おい!
ジェイク・バグ | Jake Bugg - UNIVERSAL MUSIC JAPAN
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