●その次に、2013年を通してデジタルEPシリーズ出すことになるよね? 年末には、それらをまとめた『80:XX-01020304』っていうコンピ盤も出してるけど。これは完全クラブ向けの、フロアの小さな空間に向けたダンス・トラック・シリーズ。全然大きいフィールドは気にしなくていいし、自分の好きなものをガンガン出していけるっていう。それはやっぱり楽しかった?
Ali&「超楽しかった。全然売上とか気にしなくていいし」
●2ndとか3rdは、アルバム単位で80KIDZの名前を冠して出すからには、責任もある程度感じていた?
JUN「感じてたね」
●それが無い状態で、一年間あれをやったのは大きかったんじゃない?
Ali&「『TURBO TOWN』終わった後に、リトンとか呼んだパーティやったのね。あの時に、久しぶりにこっち(クラブ・シーン)に来たら、こっちのシーンって超面白いし、こっちの方がチャレンジ精神旺盛になれると思ったの。『うわ、ヤバい!』って。僕は完全にその時にクラブ・ミュージックに頭が向いてた。その前は、あんまりクラブ、クラブしてるDJもしてなくて。まあ、してたんだけど、そこまでかっこつけてはなかったから」
●じゃあ、DJでかける曲も変わってきた時期だったんだ?
Ali&「それくらいから変わったよね。トレンドをガンガン取り入れて、プラス、説教臭さとか(笑)。それはすごく考えてやってたかな」
JUN「でも、なんとなくそういう感じはしてて。クラブ・シーンからは置いていかれてるっていうか」
Ali&「そう」
JUN「かけてる曲は別に古くないと思うんだけど、見え方としてそういうイメージなんだな、ってAli&くんが感じ取ったっぽくて。で、自分でイヴェントを主催して、外タレとか呼んでやりたいってモードになってたから。そういうふうに変えたいんだろうな、って感じてた」
Ali&「80KIDZの見え方を変えたいって」
JUN「ちょっとロックに寄り過ぎてたなって。でも、そこばっかりじゃないし。よく考えたらDJの方がブッキング多くて。僕らの仕事、こっちだった! っていう(笑)」
●じゃあ、その頃は自分たちが元いた場所に帰ってきたみたいな感覚があったんだ?
JUN「ああ、結局そうかもね。クラブ・ミュージックが嫌いだったわけじゃないし。でも、80KIDZとしてクラブっぽいのでアルバムをやっちゃいけないんだろうな、っていうのがあって。そこでああいうEPシリーズをやろう、ってなったのがよかったと思う」
Ali&「あそこで、それまで聴かなくなってた人が戻ってきたしね。クラブの人たちで。あと、80KIDZを(イヴェントに)呼んでくれてる人たちで80KIDZの曲をかけてない人たちがめっちゃいたんだけど、かけるようになった」
●それは健全だね。
Ali&「すごくよかった。自分たちの曲がクラブでかかってても、全く違和感を感じなかったし」
●本来はそうあるべきだから。だって、1stの頃はガンガンかかってたんでしょ?
Ali&「かかってたね」
●結構、その頃の感覚に戻ってる感じはあったんじゃないの?
Ali&「もうちょっと前に戻したかも。最初の12インチ『Disdrive』とか出した年くらいに戻った感覚だよね」
●一番最初に戻った感じだ?
Ali&「ちょうど、いろんなことが一回フラットになった年でもあったし」
JUN「会社を立ち上げて、レーベルも変わって」
Ali&「そういうのもあって、一回初期に戻った感じ」
●自分たちにとって、区切りの時期が訪れていた?
JUN「そうそう。で、4枚目に向けて、環境を変えたいなって。レーベルも3枚出してマンネリじゃないけど、4枚目もまた同じような感じでやるのはちょっとな、っていう」
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