SIGN OF THE DAY

80KIDZ interview:『FACE』のレシピ篇③
「シカゴ・ハウス/R&B/ムーディマン」
by YOSHIHARU KOBAYASHI November 25, 2014
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「シカゴ・ハウス/R&B/ムーディマン」

7. The Cinematic Orchestra / Man With A Movie Camera (2003)

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Ali&「このアルバムのイメージで“Gen X”を作った。まあ、そこまで引っ張られてないけど」

●ああ、確かにジャジーだしね。でも、この曲はデトロイト・テクノの影響が大きいのかと思ってたけど。

Ali&「本当はもっとデトロイト感があったんだよ。けど、途中から〈ニンジャ・チューン〉感に変えました。ずっとこの感じはやりたいと思ってたんだけど、80KIDZっぽくないなと思ってて」

80KIDZ / Gen X feat. Ann Saunderson (preview)

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●シネマティック・オーケストラはずっと好きだったの?

Ali&「すっごい好き。〈ニンジャ・チューン〉は、この人たちがいるから好きなのかもしれない。映画音楽を作りたいけど映画音楽じゃなかったり、トリップ・ホップとか、〈ニンジャ・チューン〉のビート感を踏まえた上でのこういうやつ、っていうところが好きかな」

●そう言えば、前に映画音楽が好きって言ってたよね?

Ali&「そうそう。元々好きだから、サントラ系が。でも、彼らはそこにビートを変な風に組んでるから、そこがいいんだよね」


8. Chet Faker / Talk Is Cheap (2014)

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●オーストラリアの〈フューチャー・クラシック〉から、わりと最近アルバムを出したアーティストだね。

JUN「こういう生音感は、“Gen X”にも近い要素があると思って。僕が(Ali&がメインで作った)あの曲を嫌だってならなかったのは、これが好きだったからっていうのもあると思う。あと、ちょっとR&Bっぽい要素もあるよね。〈フューチャー・クラシック〉自体が、わりと今っぽい音だから」

●そうだね。チェット・フェイカーは、ものすごく大きな括りで言えば、ジェイムス・ブレイク以降な感じではあるよね?

Ali&「ものすごく大きく言ったね(笑)」

JUN「ベース・ミュージックっぽさはないけどね。まあ、チェット・フェイカーって名前もいいし。もじってる感じで。ホワイト・ソウルじゃないけど、R&Bだけど黒くない感じっていうのは、ちょっと“Can’t Sleep”にもあるわけじゃない?」

80KIDZ / Can't Sleep feat. Jhameel (preview)

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●確かに。いや、“Can’t Sleep”はすごくいいよ。アンセム感ある。

JUN「(笑)っていうので、ニュアンスとしてこういうのが好きだったっていう」


9. Felix Da Housecat / Free Love (1993)

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Ali&「デモの時に結構聴いてたな。フェリックス・ダ・ハウスキャットの初期曲は全体的に。その中から挙げるなら、93年の“フリー・ラヴ”って曲」

●まだエレクトロクラッシュになる前だね。シカゴ・ハウスの時期だ。

Ali&「そうそう、かっこいいよ。80KIDZ初期くらいに手には入れてた曲だと思う。まあ、エレクトロクラッシュ期の有名なやつも全然ありだし、それも含めてなんだけど、“Don't Wait Up”とかの音数が少なくて、無駄な要素がない感じとかは通じるかな。直接影響を受けたってわけじゃないけど、作ってる時によく聴いてたから」

80KIDZ / Don't Wait Up feat. Ronika (preview)

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●フェリックス・ダ・ハウスキャットは最近聴いてなかったな。

Ali&「だよね。でも、フェリックス・ダ・ハウスキャットは、その時期DJでもかけてて。地味だからバレてないけど、誰にも(笑)」


10. Principle Pean / Hide Your Jewelry (813 remix) (2014)


JUN「これは結構、今っぽいやつ。カシミア・キャット以降の感じがある人だよね」

●これは“Dusk”感あるね。

JUN「“Dusk”ではないけど、まあ、そうでしょ?」

80KIDZ / Dusk (preview)

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JUN「“Dusk”に関しては、ちょっとベースっぽいやつは意識したよね。自分でもそういうの好きだし、一曲くらいそういうのトライする意味を含めて」

●ビート感とかね。

JUN「このリミックスやってる813がいいんだよね。ネット・レーベル系だと思うんだけど。自分ではここまで細かいエディットはしてないけど、雰囲気としては取り入れてるかも」

Ali&「なんか僕のセレクトって、全然今の音楽聴いてない人みたいになっちゃった(笑)」

●そこは二人のセレクトで上手くバランスが取れたんじゃないの?

Ali&「僕も最近の音楽をめっちゃ聴いてるけどね!」

JUN「逆に、僕は古いのあんまり掘ってなくて、浅い人みたいっていう(笑)」


bonus track : Moodymann ‎/ ABCD - The Album (2013)

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「シカゴ・ハウス/R&B/ムーディマン」


Ali&「そうだ、思い出した。あれ入れてよ。ムーディマンの『ABCD』。〈インターFM〉に行ったら、僕たちが出る前に掛かってて。めっちゃかっこいい、ってなって。聴いたのは4月、5月くらいかな? ちょうど〈レインボウ・ディスコ・クラブ〉の宣伝がやってて、(イヴェントに出演する)ムーディマンの曲が掛かってたんだよ。ムーディマン最高です」

●どのへんが最高なの?

Ali&「え、ヤバいっす」

全員「(笑)」

JUN「ダンス・ミュージックのプリミティヴさがかっこよくて、それが90年代っぽいっていうか。ザックリ感」

Ali&「そうそう。なんか、トッド・テリエって初期はエディットばっかりやってた人だったじゃん? オリジナルじゃなくて。その時のエディット感の汚さをムーディマンがそのままブラッシュアップしている感じがして。今トッド・テリエはセンシティヴっていうか、ハイ・センスな感じだからさ。でも、ムーディマンはずっと土臭いままで、そういう感じが好きかな。特に“シェーズ・オブ・ジョー”ってやつが(*この曲は2004年発表の『ブラック・マホガニ』収録)」

Moodymann / Shades of Jae

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JUN「やっぱりEDMがザックリしてなさ過ぎるから」

Ali&「カッチリしてるからね」

JUN「隙間が埋まり切ってるっていうか、データ上、すごく綺麗なんだろうな、っていう。整い過ぎてるじゃん、歌も。そこに対する、何か違ったものの欲しさっていうか。そういうのだったんじゃないかな、と思うんだよね」




総力特集:80KIDZ
最高傑作『FACE』までの
全キャリアを合計3万字に及ぶ
インタヴューで徹底総括します



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