表題のアルカという男をまだ知らないという人は、何はともあれ、まずはこれを聴くべきだ。2013年にアルカことアレハンドロ・ゲルシがフリー・ダウンロードで発表したミックステープ『&&&&&』。ヒップホップ、インダストリアル、アンビエント、ニュー・エイジ、ベース・ミュージックなどが分裂症気味に混濁し、延々と不吉なムードを垂れ流す25分38秒。この強烈な体験に、インディ・ブログの徘徊に余念がないリスナー達はぶっ飛ばされた。
そしてもちろん、感度の高いアーティスト達もまた彼の才能にぶっ飛ばされ、コラボを申し出ている。いちばんの大抜擢は、やはりカニエ・ウェスト『イーザス』へのトラック提供だろう。だが、それ以外の仕事も押しなべて素晴らしく、今年のインディR&B最注目アクトと言えるFKAトゥウィグスの『EP2』プロデュースや、新世代ラッパーのミッキー・ブランコとの共作“Join My Militia (Nas Gave Me A Perm)”など、とにかくエッジーなアーティスト達と刺激的な仕事を次々とこなしているのだ。
というわけで、今やアルカはもっとも熱い注目を浴びる「ポスト・インターネット」世代のトラック・メイカーの一人だが、なんと早くも来日公演が決定してしまった。5月16日(金)、場所は恵比寿リキッドルーム。当日はDJセットを披露するという。一体どんな刺激的なプレイを見せてくれるのか、心して待とう。
LIQUIDROOM [リキッドルーム]