ラップのシーンで起こっている現象と個人の熱狂がほぼ完全にシンクロして早3年? 4年? 見渡してみると、世界的に見ても自分より頭の悪そうな年間ベストのリストを提出している音楽ジャーナリストがいないという事実に震えていた年末年始。もはや「個人のテイストって何だっけ?」という状態なのだが、とりあえず2019年もいけるところまで浮かれていきたい思ってる。
一方で、世間的に高く評価されているアメリカのテレビ・シリーズの多くに、芸術的にも政治的にも少なくない距離感を自覚するようになったのが2018年。頭の良いアメリカ人が得意な「時流を捉えてうまく仕上げたドラマ」に費やす時間はもうないなあ、と。結局のところ、『ブレイキング・バッド』シリーズ(『ベター・コール・ソウル』含む)への尽きせぬ偏愛と、「個人のテイスト」に気味が悪いほど合致してきたNetflixの社風(ホラー&SFへの偏重と古き良き作家主義)に2010年代の自分はドライヴされてきたんじゃないか、なんてことをふと思ったりも。2019年はそのあたりを見極めていく年になりそう。
〈サインマグ〉のライター陣が選ぶ、
2018年のベスト・アルバム、ソング
&映画/ドラマ5選 by 小林雅明
「〈サインマグ〉のライター陣が選ぶ、
2018年の年間ベスト・アルバム、
ソング、映画/TVドラマ 5選」
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「2018年 年間ベスト・アルバム 50」
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