SIGN OF THE DAY

もはやインディという枕詞やJという括りは
足かせ。「やっぱりceroがナンバー1!」と
誰もが圧倒され、腰を揺らし、口ずさんで
しまう『Obscure Ride』、その世界同時性
by YOSHIHARU KOBAYASHI May 18, 2015
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もはやインディという枕詞やJという括りは<br />
足かせ。「やっぱりceroがナンバー1!」と<br />
誰もが圧倒され、腰を揺らし、口ずさんで<br />
しまう『Obscure Ride』、その世界同時性

やっぱりceroがナンバー1! えっ、そんなこと言われなくてもわかってるって? なるほど、確かにそうかもしれません。2010年代に浮上した日本の新たなインディ・バンド・ネットワークにおいて、常にceroは名実ともにナンバー1の存在でした。誰もが認めるトップ・ランナー。でも、ここで言いたいのは、そんなレベルの話じゃないんです。

だってもう、5月27日にリリースされる彼らの3rdアルバム『Obscure Ride』がすご過ぎるんですよ。最高なんです。もはや日本のインディ・シーンで彼らがナンバー1なのは当たり前。日本のポップ・シーン全体で考えても、このレベルの作品はそう簡単に思いつかない。いや、それどころか、2015年の今、第一線で活躍している欧米のアクトたちの作品と並べても、まったく遜色がないんじゃないか、っていう。

実際、全米1位を獲得したアラバマ・シェイクスの最新作『サウンド&カラー』と較べても、どちらに軍配を上げるかは難しい。正直なところ。「ceroの方が上だ!」と主張する人がいたって、決しておかしくはないでしょう。それくらいすごいんです。だから、このアルバムを聴くと、思わずこう言いたくなるんですよ。やっぱりceroがナンバー1! って。

では、早速、『Obscure Ride』のティーザーを見てみましょう。1分半ほどの短いものですが、これだけでも彼らが以前とは完全に別次元に突入しているのがわかります。

cero / Obscure Ride Teaser

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もっとも、彼らの3rdがとんでもないことになりそうな予感は、2013年末にリリースされたシングル『Yellow Magus』の時点でありました。この作品から光永渉(ドラム)と厚海義朗(ベース)がレコーディングにも加わるようになり、バンドのグルーヴが抜本的に変化。勿論、ティン・パン・アレーやエキゾチカ、あるいは00年代以降のUSインディなどが重要なキーワードとなっていた2ndまでのサウンドも素晴らしかった。でもやっぱり、ヒップホップ以降のソウルやR&Bをひとつの指針にして生まれた、しなやかでコク深いグルーヴの“Yellow Magus”には度肝を抜かれたものです。

cero / Yellow Magus

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でも実は、この曲のアルバム・ヴァージョン、“Yellow Magus (Obscure)”はもっとすごいんです。アルバム全体のトーンに合わせ、より抑制を効かせたアレンジに生まれ変わったヴァージョンには唸らされること請け合い。あー、これは早く聴いてもらいたい!

で、2014年12月にリリースされたシングル『Orphans/夜去』も最高でしたよね。

cero / Orphans

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こちらは、めちゃくちゃメロウ&スウィート、かつロマンティックなミドル・バラッドです。軽やかでポップだけど、しっかりとディープでファンキー。UAの98年のヒット、“ミルクティー”におけるJ-POPとブラック・ミュージックの絶妙なバランスを意識したというのも、確かに頷けるかも。

そして、アルバムからの先行カットという形でMVが公開されたのが、こちらの“Summer Soul”。タイトル通り、爽やかな夏の香りがする名曲で、早くも今年のサマー・アンサムの予感です。

cero / Summer Soul


BPM95前後のゆったりとしたテンポで進みながら、絶妙なリズムの変化で抑揚をつけるところとか、最高でしょう。2回目のヴァースの入りでの、ハイハットの刻みとか悶絶ものですよ。もう何から何まで粋。最後の静かなクライマックスにおける高城晶平のシャウトも効いています。

これらの曲を聴いただけでも、期待はこの上なく高まっていることでしょう。『Obscure Ride』は、音楽的な方向性、その完成度、アルバムのトータル性――どれを取っても、あまりに圧倒的。欧米のポップ・シーンの最前線に、今すぐ飛びこめるくらいの素晴らしさ。なので、あなたもこのアルバムを聴いたら、きっとこう叫びたくなるはず。やっぱりceroがナンバー1! と。


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