やっぱりこれだけいろんな音楽が溢れていると、新旧問わず未聴の音源に手を伸ばすのに忙しく、同じ作品を繰り返し聴く機会は確実に減っている。それなりに興味があるアーティストの新曲でも一回しか聴かないのは当たり前、10~20回聴けばかなりいい方。でも、シャムキャッツの『たからじま』は、何度も何度も、本当によく聴いた。リリースされた2012年はもちろん、2013年でも一番よく聴いたレコードかもしれない。ズレそうでズレない、いやもしかしたらズレているのかもしれないけど気持ちいいと思わせる、奇妙にねじれたバンド・アンサンブルは聴くほどに癖になるし、なにより2012年の気分を自分たちの等身大のリアリティから描き出した歌詞が素晴らしかった。思い返してみれば、2012年のベスト・アルバムは『たからじま』だったかもしれない、とも思ったり。
というわけで、自分の中で『たからじま』のブームはまだまだ続いているのだけど、彼らはもう次へと向かっている。そう、シャムキャッツのニュー・シングル『MODELS』が1月29日にリリースされる。
早速PVが公開された表題曲は、相変わらず不思議なアンサンブルだが、しかし疾走感溢れるポップ・チューン。映像の世界観通り、朝方の高速道路を駆け抜けているような爽快さがある。この一曲だけで新作を占うことはできないものの、彼らが新しいモードにギアチェンジしていることを予感させられるのは確かだろう。
そう言えば、プレイリスツのコーナーで彼らのPVを紹介したとき、「今度はリリック・ヴィデオが見てみたい」と書いたけど、今回はそれだったので個人的には嬉しい限り。最近は明らかに手抜きのリリック・ヴィデオが少なくない中、これはアイデアも面白いし。何にせよ、1月29日の代官山ユニット公演を皮切りに始まるワンマン・ツアー「GO」と、来たるニュー・アルバムへの期待を煽るには文句なしの新曲でしょう。
表題曲のほかにも、“象さん”、“どッちでもE”という新曲二曲を収録した『MODELS』は、500円のワン・コイン・シングルとしてリリース。タワー・レコード限定発売だが、今回のツアー会場でも特別に販売し、その場で購入した人を対象にサイン会も開催するとのこと。ツアーとシングルの詳細は彼らの公式サイトをチェック!