いやー最近、オールドスクール~デトロイト系のエレクトロがひそかにリリース量が増えているような感じがしまして……で、その台風の目、的なレーベルがシェフィールドのこちらのレーベルでして。〈Central Processing Unit〉こと〈CPU〉。SEO対策なんて気にしていない様子のお名前。怒涛のリリースを展開していて、すべてがデトロイト・スタイルのエレクトロ、しかもかなりのクオリティ。そんななかでも注目の新人、マルタ島からのリス・セレストによるプロジェクト、ミクロリスのアルバム『ダンス・ウィズ・ミー』から“イン&アウト”。この曲あたりのメランコリックなメロディ・センスに躊躇ですが、アルバム全体がエイフェックス・ツイン『セレクテッド・アンビエント・ワークス85-92』を彷彿とさせる作品で、全方位にグッとくるリスニング・テクノ/エレクトロ(ノット・エレクトロニカ)に仕上がっていまっせ。ま、とにもかくにもこのレーベルとエレクトロはここ1年ぐらいは注目かと。
もう、この人、最近出す曲、出す曲、優勝〜って感じ。フローリアン・メイヤーによるプロジェクト、ドントDJのちょいと前のシングル。ヴィラロボスのミニマルの背筋も凍るバイヤーな部分をトロピカルに純粋培養というかなんというか。チャンチキチャンチキチャンチキと繰り返すミニマル・ヒプノティック・メタル・パーカッションな1曲。ちょっと前に出たガムランな“ガムラン”、トロピカル・チルな“オーセンティック・エキゾチシズム”も最高ですよ。もともとはプリペアードなターンテーブルで演奏をしたり、トーマス・ブリンクマン系の実験的なミニマル・テクノ・グループをやったりな人らしい。
こちらもほぼ新人であんまり詳細ないんですが、ベルリン・テクノ/ハウスの中心地〈オストグット・トン〉傘下のサブ・レーベル〈アンタートン〉から。ベルリン在住の若手の新作なんですが、これが完全に初期カール・クレイグ(サイケ~69あたりの名義)を彷彿とさせる作品で、デトロイト・テクノ好きおじさんはズキュンです。このあたりのテクノの復権、上記エレクトロとともになんだかあるんじゃないかなーとか思っているんですが、どうでしょうか? ないですかね~。
でた~でちゃいました~。完全に幽界からのアレな電子音が痛快ウキウキで闊歩するヒプノティック・テクノ~from イタリアの音響テクノ紳士こと、ドジー卿の一発です。他3曲もすばらしいんですが、この曲ばっかりリピート再生中です。この辺のテクノ、ちょっと過食気味っちゃ過食気味なんですが。グッとディープなミニマルやばいんですよ、みなさん。
ブリストルのベース・ミュージック以降のレフトフィールド・テクノ~リヴィティー・サウンズ周辺をリリースする〈アイドル・ハンズ〉などからもリリースする、マット・カーミリの新作アルバム『++++』から1曲。こちらはケルンのレフトフィールド・テクノなレーベル〈PNN〉から。ざらーーーっとした肌触りのロウな響きと強すぎないキック。この曲のデトロイト・ビートダウン的なノイズ・ループ感、それと初期ハーバートを思い起こさせる申し訳程度のインダストリアル・フィーリングを加味したディープ・ハウス・グルーヴ。この曲以外にも、まぁ、アルバムの曲をどこをどう取ってもいまのアンダーグラウンド・エレクトロニック・ミュージック・シーンって感じでしょう。そのあたりの質感にグッとくるアルバムです。