9月30日にリリースされた、ダニエル・ブラムバーグ脱退後としては初となるヤックのアルバム『グロウ&ビホールド』。これを聴いて何より驚かされるのは、マックス・ブルームがメキメキと成長していることだろう。ケイジャン・ダンス・パーティ時代はダニエルとロビー・スターンという黄金タッグの陰に隠れた冴えないベーシストといった感じだったが、ヤックでは楽器をギターにスイッチすると同時に、バンドの屋台骨的な存在に。そして、ダニエルが抜けた今、立派にフロントマンを務めるまでになったのだから。
音楽的には1st同様、USオルタナ譲りのノイジーなギター・ポップが中心。ダニエルがメインを張っていた時ほどの鮮烈さはないが、「もうこのバンドは終わりだろ?」と見切りをつけようとしていた輩の鼻を明かすには、必要十分な出来のはず。それに、「成長、そして注視せよ」というタイトルからも、彼らの静かな自信が感じられるではないか。この勢いで成長を続け、誰もが認めるヤック第二章を切り開いてほしい。
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