SIGN OF THE DAY

死ぬまでに一度は
〈フジ・ロック〉に行かないと
人生始まらない10の理由
by YOSHIHARU KOBAYASHI July 17, 2014
死ぬまでに一度は<br />
〈フジ・ロック〉に行かないと<br />
人生始まらない10の理由

なぜ〈フジ・ロック〉は日本のフェスの代名詞なのか?なぜ特別な存在なのか?その理由は行けばわかる。すべてをすぐに了解できる。だからこそ、一度は絶対に行ってみた方がいい。まだ踏ん切りがつかないあなたに送る、〈フジ〉に行くべき10の理由。


1. 日本のフェス文化を切り開いた唯一無二のパイオニア

こんな御託は、遊びに行く人にとってはどうでもいいかもしれない。だが〈フジ・ロック〉こそが、日本に「フェスティヴァル」の本当の魅力を伝えたパイオニアだ。大小14以上あるステージで一日中鳴り止むことを知らない多彩な音楽。と同時に、音楽から離れて時間を楽しむことも許容する、ステージ以外の心地よい場所の多さ。日常を忘れ、別世界に迷い込んだように錯覚させる迷宮のような会場設計。おまけに、ゴミひとつ落ちていない世界一クリーンなフェスでもある。これは世界的にも例を見ない特別な空間だ。本家の〈グラストンベリー〉を凌ぐかもしれない、日本の宝。


2. あなたの新しいテイストが必ず広がる

フェスは予期せぬ出会いの場でもある。〈フジ・ロック〉のように巨大な空間であれば、それはなおさらのこと。偶然通りかかったステージで目にしたバンドや、食事を取っている時にふと流れてきた音楽に耳を奪われてしまった経験は、〈フジ〉参加者ならば一度はあるだろう。求めているものが手に入るだけではつまらない。思いも寄らぬ何かに遭遇し、恋に落ち、新しいテイストが広がるのが〈フジ・ロック〉の醍醐味だ。


3.あなたの知らない凄いアクトが隠れている

世界の並居る有名フェスと肩を並べるような、最高のラインナップが揃っているのは当然。だが、むしろ〈フジ・ロック〉の魅力は、メインストリームの大物以外にも素晴らしい出演者を散りばめているところにある。何時間も延々とプレイするフィッシュなどのジャム・バンド、リー“スクラッチ”ペリーやスカタライツといったレゲエ/ダブの重鎮、そして世界各国から集められたジャズやファンクの凄腕達。そこではきっと、あなたの新しいフェイヴァリットが見つかるだろう。


4. 日常とは切り離された、三日間だけの楽園

会場の端から端まで歩くだけで2時間近くかかる〈フジ・ロック〉は、ひとつの街のようなものだと言ってもいい。ただし、そこでの生活には、他人に迷惑をかけないということ以外、ほとんどルールはない。あなたは〈フジ・ロック〉という広大な空間で、何をするかを自分自身で選び、三日間を過ごすことになる。何ひとつライヴを観なくてもいい。誰からも何も押しつけられることなく、全ては自分次第だ。そこは義務と束縛だらけの日常から完全に切り離された、かけがえのない三日間だけの楽園である。


5. 音楽以外にも、数えきれない素晴らしい体験が待っている

行ったことがない人は、たかが音楽フェスティヴァル、と思うかもしれない。だが、そこには音楽フェスティヴァル以上の何かが必ず待っている。できることなら、隅々のエリアまで一度は足を運んでみてほしい。〈フジ・ロック〉で三日間を過ごした後は、人生観が変わってしまう人さえいる。インドかよ! いや、それも大袈裟な話ではない。行かないとわからない。けれど、行けばすべてがわかり、その魅力に感染してしまう。そんな特別な場所が〈フジ・ロック〉だ。



6. 夜の表情、事件、終わらない祭り

言うまでもなく、ヘッドライナーのライヴはフェスのハイライト。だが、〈フジ・ロック〉の一日はそこで終わらない。レッド・マーキーやその近くのガンバン・ラウンジ、そして金曜のオールナイト・フジでは夜通しDJがプレイしている。場外エリアのパレス・オブ・ワンダーで新人ステージのルーキー・ア・ゴーゴーなどが始まるのも、かなり夜が更けてからだ。夜の〈フジ・ロック〉は、またガラリと表情を変える。そこでは昼間は思いも寄らなかった、嬉しい出会いや事件があるかもしれない。こちらの映像は、2013年のパレス・オブ・ワンダーと、深夜のオアシス・エリアの様子。これを見てもわかる通り、〈フジ・ロック〉の夜は長い。祭りはそう簡単には終わらない。



7. 幾多の大物アクト達も虜にしてきた、美しい景観と「演出」

苗場の山々に囲まれた見事な景観は、〈フジ・ロック〉の魅力を語る上で欠かせないもの。視界一面に広がる豊かな森と澄みきった渓流。ドラゴンドラに乗って山頂に向かえば、そこには緑の大パノラマが出現する。夜の景色も幻想的で美しい。森の中に飾り付けられた何百ものミラーボール。カラフルなイルミネーション・アートで彩られたボードウォーク。山々に映し出された神秘的な映像。大自然とその魅力を引き立てる演出が織り成す景色の素晴らしさは、世界中のフェスを巡ってきた大物アクト達も絶賛するほどだ。一日でもそこに身を置けば、きっとあなたも虜になってしまうだろう。


8. 地元名産から世界各国料理まで、充実した飲食の美味

フェスの楽しみのひとつとして必ず挙げられるのが、今では「フェス飯」とも呼ばれる屋台での食事。その点でも〈フジ・ロック〉は昔から評価が高い。日本酒やもち豚といった地元・新潟の名産品が数多く出品されているのに加え、ワールド・レストランのエリアではイギリス、フランス、スペイン、ナイジェリアなど世界各国の料理が味わえる。いわゆる屋台飯的なもの以外がほしくなったら、名物の苗場食堂で味噌汁や白米を食べてもいい。衣食住のすべてをその場で賄う〈フジ・ロック〉だからこそ、飲食のこだわりも徹底している。


9. これからも生まれ続けるであろう、奇跡のような名演の数々

特別な空気を持ったフェスティヴァルでは、歴史に残るような名演が必ず生まれる。勿論〈フジ・ロック〉も例外ではない。レディオヘッド、ビョーク、アンダーワールド、ブラー、他にも数えきれないほど。数百人くらいしか観衆がいなかった小さなステージでも、奇跡のような名演はいくつも生まれているに違いない。〈フジ〉に訪れたことがある人は、ずっと心に残っているライヴが誰もがひとつはあるはず。そして、これからも〈フジ・ロック〉では後世に語り継がれるような名演が繰り広げられるだろう。今からでも遅くはない。あなたもその目撃者になるべきだ。

下の映像は、比較的に最近の名演のひとつ。2011年にケミカル・ブラザーズがグリーン・ステージでヘッドライナーを務めた時のもの。



10. あなた次第の自由な楽しみ方が、そこには広がっている

〈フジ・ロック〉はとてつもなく広い。そして参加者の主体性を何よりも信じている。手取り足取り楽しみ方を教えてくれる、余計な親切など一切ない。だからこそ、訪れた数万人の数だけのまったく違った思い出と、まったく違った特別な体験が生まれるのだ。そこでは何が起こるかわからない。すべてはあなた次第。〈フジ・ロック〉を最高の経験にする鍵は、ほかでもない自分自身が握っている。つまり、私達の手に渡されるのは、かけがえのない自由だということ。この喜びを謳歌するために、あなたは何度でも〈フジ・ロック〉に足を運ぶことになるだろう。





photo by 宇宙大使☆スター

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