>>>無我夢中のシーズン1、暗中模索のシーズン2を経て
2021年6月末から始まった〈ザ・サイン・ポッドキャスト〉は、11月1日(月)21時から早くもシーズン3に突入しています。シーズン3は12月後半まで約2か月間にわたって配信。そして既にお約束している通り、このシーズン3で〈ザ・サイン・ポッドキャスト〉のフェーズ1は完結となります。
改めて振り返ると、シーズン1は全4エピソードとコンパクトながら、フェーズ1の全3シーズンを製作・配信するためのグランドデザインを描き、然るべき体制の在り方を見極めることに注力していました。「とにかく始めること」に全力を費やした無我夢中のシーズンだったと言えます。
それに対して、8月末から10月半ばまでのシーズン2は、ポッドキャスト(とMusic+Talk)という枠組みの中で、そこでやれる「新しいこと」の可能性をひたすら広げてみようという暗中模索のシーズンでした。
ただ、シーズン2を聴いていただいて、我々が何がやりたいのか、正直戸惑われた人も少なくないと思います。通常、ポッドキャストは特定のジャンルやテーマに特化し、1つのアイデアで1つの番組を作る場合が大半。〈POP LIFE: The Podcast〉も取り上げるジャンルは多岐にわたっていますが、台本無しで長時間の「超・雑談」という1つのアイデアを軸にしています。しかし、〈ザ・サイン・ポッドキャスト〉が目指しているのは、雑誌のように幾つもの違うアイデアのシリーズ・メニューを作ること。そのため、現時点ではやや全体像がつかみにくい――そんな風に感じる方がいらしても何らおかしくはありません。
実際、ポッドキャストというメディアの特性上、オーディエンスの裾野は時間をかけて広がっていくものですが、現時点では〈ザ・サイン・ポッドキャスト〉のオーディエンスの数は〈POP LIFE: The Podcast〉の数分の一程度。〈ザ・サイン・ポッドキャスト〉はそれぞれのメニュー、それぞれのエピソードにはいろんなクラスタから熱いリアクションをもらっているものの、広範囲のオーディエンスに番組全体としての信頼を得るにはいまだ至っていません。それが私たちの現状認識です。
>>>シーズン2製作を通しての体制作り、その試行錯誤
シーズン2製作の舞台裏に関しても、少しだけお伝えさせていただきます。そんなもの興味ないよ、という人は読み飛ばしてください。
シーズン2は、シーズン1を製作・配信する中で見えてきた運営体制をいかに継続的なものにするか? という問題意識の下で私たちは動いてきました。言葉にすると簡単ですが、その裏には度重なる試行錯誤と失敗があります。これまでのレギュラーの仕事にプラスして、〈ザ・サイン・ポッドキャスト〉の運営を日常的なスケジュールに組み込むこと、これはなかなかに大変な作業でした。
実際、3人目のメンバーであるディレクター木村さんの力を借りつつ、各エピソードを企画、収録、編集、配信する作業と並行して、マーチを製作し、ドネーション/マーチ販売のストアを運営するのは、たった2人だけの組織としては明らかにオーヴァーワークな時間と労力、疲弊を伴うものだったと言えます。田中と小林に共通する正直な本音を吐露すれば、死ぬほど疲れました。
そんな日常の中で、毎日オーディエンスの皆様からのサポートを数として確認すること、あるいは、ストアを経由していただいた叱咤激励のメッセージや、ソーシャル・メディアでのご感想を確認させていただくことは、何よりも励みになりました。正直、それだけがこの4ヶ月間の我々を支えてくれたと言っても過言ではありません。
>>>シーズン3は「見極め」のタイミング
シーズン3は、我々にとっては「見極め」のシーズンです。2022年初頭からのフェーズ2、シーズン4からの半年間を本当に運営していけるのか? それを、このシーズンの製作と収支を通して、決めなければなりません。
これまでの2シーズンでは、皆様のサポートのおかげで、各ゲストやコントリビューターであるディレクター木村さんへの対価(決して高くはありませんが)の支払い目処は何とかつきました。しかし、我々自身の収益はもとより、より安定した体制作りのための資金確保には程遠いのが現状です。自分たちのスタジオ(例えそれが自宅であったとしても)や機材を確保することなど、夢のまた夢です。
これまでの3シーズンは、懇意にさせてもらっている渋谷のクラブ〈CIRCUS Tokyo〉のダンスフロアを安価(当初は彼らの好意から無料で使わせてもらっていました)で使わせてもらうことによって何とか経費を抑えて、スケジュールを調整してきました。しかし、それもパンデミックの一旦の沈静化に伴って変わる可能性もあります。おそらく今後は都内の収録用スタジオを使い、経費の増大とスケジュール確保の困難さに直面する可能性も考慮に入れなくてはならないでしょう。
現状はこのような体制ゆえに、旬な話題を即座に取り上げ、即座に配信するといったようなエピソード作りはまだ出来ません。実際のところ、1ヶ月後の配信になっても話題が古くならないようなエピソードを制作すること、あるいは数週間で1シーズン分の内容を企画し、数日間で一気に録り貯めて少しずつ配信していくことで経費縮小を図っています。ここも少しずつ改善していくのが私たちの目標のひとつです。
>>>情報と価値をフェアに再分配するエコシステム実現を目指して
経費面の課題はあるものの、これまでの3シーズンの経験を活かし、より充実したフェーズ2の半年間の配信を可能にするための経験は詰むことが出来たと考えています。私たちとしては、来年初頭からも〈ザ・サイン・ポッドキャスト〉をぜひ続けたいと思っていますので、何かしらの形でサポートしていただけると幸いです。
〈The Sign Market〉でのマーチャンダイズ販売とドネーションに関しても見直しを図っています。これまでは、シーズンごとに1つの大きなプロダクトを出していくという形でした。しかし今後は、毎月1~2回、新商品が追加されていくというペースで、高価なものから安価なものまで、よりフレキシブルにオーディエンスの皆さんが支援の額とリターンを選択できる方向へとシフトしていきます。
その新体制の第一弾として、2000円のドネーションに対するリターンとしてのステッカー3枚セット、3000円のドネーションに対するリターンとしてのステッカー5枚セットの2つを追加しました。今後も続々と新商品が追加される予定です。楽しみにしていてください。
DONATION (寄付2,000円)+ステッカー3枚セット
DONATION (寄付3,000円)+ステッカー5枚セット
製作者、オーディエンス、関係各所のコントリビューター、すべての人々に情報と価値をフェアに再分配するエコシステム作り、これが〈ザ・サイン・ポッドキャスト〉の目標であることは今後も変わりません。まだまだ目標の実現には程遠いですが、この試みが決して夢物語ではないことを〈ザ・サイン・ポッドキャスト〉の実践を通して証明したいと考えています。我々は引き続き、皆さんを触発し、楽しんでいただけるエピソード作りに邁進していきます。
ぜひ長い目でお付き合いください。これまで通り、ご感想やご要望などは「#thesignpodcast」のハッシュタグをつけてツイッターで呟くか、ドネーションの際に「備考」欄に記入していただければと思います。