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  • Jagwa Plaitum by MASAAKI KOBAYASHI April 13, 2016 1
  • Can You Do It Charles X by MASAAKI KOBAYASHI April 13, 2016 2
  • I Do Coke Kill The Noise & Feed Me by MASAAKI KOBAYASHI April 13, 2016 3
  • Our Musical Ode to the Clitoris Dorian Electra by MASAAKI KOBAYASHI April 13, 2016 4
  • Drop Chloe x Halle by MASAAKI KOBAYASHI April 13, 2016 5
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    恋に落ちる、あるいは、失恋/失敗でもいいけれど、「落下」が、ミュージック・ヴィデオで繰り返し使われ続けているモチーフなのは、ご存じの通り。コールド・ウェイヴな触感を持ったUKの二人組プレイタムによるこの楽曲のMVでは、まず、落下の方向性に目を惹かれる。しかも、それを、単なるスローモーションではなく、エドワード・マイブリッジの連続写真側に寄せた表現にして、すぐその後に(何も映っていない!)ゾエトロープらしき映像をつなぐあたりも、写真から映画への発達史を意識していそうだ。それを補うかのように、映画史に対してとりわけ意識的なゴダール作品で有名な、赤と青の二色の色使い(色分け)(『女は女である』のアンナ・カリーナのダンス・シーンや『気狂いピエロ』のパーティ場面)だけで全編が貫かれ、強固なサウンド&ヴィジョンが完成している。

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    チャールズXは、LAはサンフェルナンド・ヴァレー出身のリズム&ブルーズ・シンガー。LAのストリートと言えば、マッスル・カーによるストリート・レースが映画『ワイルド・スピード』等によって注目されたが、なんと、ここでは、チャールズの掛け声にあわせ、ストリート・ホース・レースの火ぶたがきっておろされる。アスファルトの上で馬を駆る疾走感、ステレオタイプをブチ破る興奮や清々しさが、曲のテーマであるポジティヴさと相まって、アニメーションで表現されている。構図的にも、これが、実写だったら、ホントにすごかっただろうな、と思わせる画面作りが目立つけれど、逆に、このMVが実写だったら、想像力の幅が狭められ、逆に嘘くさく見えてしまったかもしれないし、そうなると、社会的な意識の高いチャールズのようなシンガーにとっては、マイナスだったはずだ。

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    非実写と超現実な描写とのかかわりについては、キル・ザ・ノイズも、意欲的な試みを繰り返している。曲名と、ドナルド・トランプ・ディスを結び付けた昨年の“キル・イット・4・ザ・キッズ”では、クレイ・アニメを最大限に活用していたが、今回のMVは実写ベース。コカイン(依存)については、既に『スカーフェイス』で、盛り塩状態のそれを吸引した時点で、いわば戯画化(笑)が始まっていたので、挑戦しがいのあるテーマだ。ここでは、「吸引」ロゴのチアガール軍団の盛大な歓迎を受け、長ーいレッド・カーペット上に白線上にしきつめられたコカインを、超高性能掃除機のごとく吸い込んでゆくだけでも常軌を逸しているのに、吸い込んでいた本人ごと巨大な鼻の穴に吸い込まれてしまう。あまりに過剰な戯画化のため、笑いを飛び越えて、後味の悪さだけが残る。ただ、これを見て一つ引っかかることがある。このMVを作る前、つまり、曲そのものが完成した時点では、この曲そのものに果たして強力なアンチ・ドラッグなメッセージがこめられていたのだろうか?

  • さらに、表面的には過激そうでありながら、啓蒙的な意味を持たせたMVとなると、このドリアン・エレクトラの曲は、むしろ、整然とまとめられている、ということになるだろうか。これは、〈リファイナリー29〉というモダーンな女性の生き方を提案するウェブ・サイトが、彼女に楽曲作りを依頼して、女性の立場から独自に作り上げたもの……ちなみに、一男性としては、普段から失礼のないように気遣っているつもりなのですが……。

  • 一転して、ここで、まず、目に飛び込んでくるのは、風にそよぐ草原。続けざまに、耳に入ってくるのは、土を蹴る蹄の音。恐らく、楽曲を聴いただけでは、感じ取れなかったであろう、このクロエとハリィの姉妹デュオの持つ、オーガニックな心地よさが、このMVを介してうまく伝わってくる。彼女らの歌からは非R&B的な表現こそ感じ取れるものの、楽曲そのものの音は、特にアコースティックではないのに、そう勘違いさせてしまうあたりがうまい。後から知ったのだが、二人は、元々ユーチューバーとして人気を集め、ビヨンセの新レーベルと契約済みだという。これだけ聴くと、ヒップホップとの距離込みで、どうしても、イベイー的なものが浮かんでしまうが、大注目必至のアルバムの内容やいかに。

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