もしもあなたがキリスト教徒なら、メリー・クリスマス！ ユダヤ教徒ならハッピー・ハヌカー！ というわけで、毎年恒例になっているヨ・ラ・テンゴのハヌカー・ショウですが、残念ながら会場になっていた彼らの地元ホーボーケンのライヴハウス、〈マックスウェル〉が今年の７月にクローズ……。しかしその代わりに、素晴らしい歌の贈り物を届けてくれました。クリスマスに起こるオモチャたちの反乱を描いたこの曲には、ラジオ・パーソナリティのアイラ・グラスと、コメディアンのユージン・マーマンも参加。童謡“おもちゃのチャチャチャ”（野坂昭如作詞）や『ダウンタウンのごっつええ感じ』の名作コント「ファンタジア」を思わせるちょっぴりブラックなノヴェルティ・ソングで、ホワイトハウスがトイザらスの下敷きになってしまうラストは必見！ あ、ハヌカー・ショウは今年もニューヨークのベル・ハウスに会場を移して開催されるそうなのでご心配なく！
全米２位を記録したシンズの2007年作『ウィンシング・ザ・ナイト・アウェイ』に“パム・ベリー”というタイトルの曲が入っていた時は思わず目を疑いましたが、昨年そのパム・ベリーがヴォーカリストを務める伝説のファズ・ポップ・バンド、ブラック・タンバリンが再結成して、新作EPまでリリースしたのだから驚きました。一方、海の向こうのグラスゴーでは、30歳の誕生日に妻からもらったアコースティック・ギターで作曲を始めたという遅咲きの新人、ウィザード・ハンドことダン・ウィルソンが、パム・ベリーの参加した新曲を発表。ヴァセリンズのユージン・ケリーやベルセバのメンバーも参加しているというニュー・アルバムからのその曲のタイトルは……“ブラック・タンバリン”！
『狼男アメリカン』のジョン・ランディスと俳優のイライジャ・ウッドが制作、アリエル・ピンクがサントラを手掛けたというホラー映画『バッド・ヴァイブス』は、『フォード・フェアレーンの冒険』（祝・DVD化！）と『ゴースト／ニューヨークの幻』を足して割ったような内容になっているそうで……。『ゴースト』のデミ・ムーアは陶芸家でしたが、ニュー・アルバムの特典用に陶器のマグカップを手作りしたのが、スーパー・ファーリー・アニマルズのグリフとブーム・ビップのサイド・プロジェクト、ネオン・ネオンで歌っていたウェールズの女性歌手ケイト・ル・ボン。というわけで、ろくろを回す彼女の背後から手が……「そこにいるのはあなたなの（アー・ユー・ウィズ・ミー・ナウ）？」
出稼ぎをしていた父親を追ってニューヨークにやってきたというウルグアイ出身のフアン君は、ニューヨークのクイーンズを拠点に活動するガレージ・バンド、ザ・ビーツのリーダー。そんな彼が来年リリースするソロ・アルバムからのリード・トラックはサーフ・ポップ風のメロディが眩しいフォーク・パンクで、ビデオではプエルトリコ出身のプロレスラー、カリート・コロンの大ファンだというフアン君が、ジム・キャリー主演の伝記映画『マン・オン・ザ・ムーン』でも知られる伝説のコメディアン、アンディ・カウフマンばりに女性挑戦者たちとのガチンコ・レスリング対決を繰り広げております。ジョークの通じない人はくれぐれも苦情の電話をかけないように！
豊川悦司と薬師丸ひろ子が夫婦役を演じた『今度は愛妻家』という映画がありましたが、この“ディス・タイム”のビデオに登場するのはロビン・ハンニバルとのR&Bデュオ、ライのヴォーカリストでもあるマイク・ミロシュと、その奥さんでもある女優のアレクサ・ニコライ。ライのツアーで訪れた世界各国で撮影したプライベート・ヴィデオを編集したもので、渋谷のスクランブル交差点やJR新宿駅でじゃれあう２人はまだ許せますが、ホテルでシャワーを浴びるアレクサをガラス越しにこっそり狙ったショットには、羨ましさを通り越して怒りが込み上げてきます。なんでもアルバムには「奥さんのお腹を叩く音や、肌をブラッシングする音も入っている」そうで……変態か！
December 22, 2022
September 05, 2014
