SIGN OF THE DAY

ホステス・クラブ・オールナイター影の主役
ポーティスヘッド/ビークの頭脳=ジェフ・
バーロウがポップ音楽の今を一刀両断!前編
by JUNNOSUKE AMAI August 02, 2017
ホステス・クラブ・オールナイター影の主役<br />
ポーティスヘッド/ビークの頭脳=ジェフ・<br />
バーロウがポップ音楽の今を一刀両断!前編

ポーティスヘッド/ビークのジェフ・バーロウは、今回自らが出演する〈ホステス・クラブ・オールナイター〉こそが、今の時代に失われてしまった理想的なフェスだと語っている。もっとも、その言わんとしているところは、5年前、10年前と較べて、欧米の音楽業界のあらゆることが変わってしまったという実感の少ない、「洋楽離れ」と言われて久しいここ日本ではピンと来ないかもしれない。だが、以下の彼との対話に目を通してもらえば、ジェフ・バーロウが何に憤り、ポーティスヘッド/ビークを通じて何をやろうとしている/何をやろうとしてきたのか、おわかりいただけるだろう。

たとえば、今年の初めごろSNS上で、ダーティ・プロジェクターズのデイヴ・ロングストレスとフリート・フォクシーズのロビン・ペックノールドとの間で交わされた「インディ・ロック」の現状をめぐるやり取り。そこで吐露されていたのは、かつて「インディ・ロック」がいた場所にいまや「インディ・ロック」はいない、そこに「インディ・ロック」の居場所はない――という切実な現状認識だったように思う。あるいは、その中でペックノールドが2000年代を振り返って「「インディ・ロック」に豊かさや先進性が感じられた最後の瞬間だった」と綴っていたように、ある種のノスタルジーの対象とさえ化している、という実感。先だって海外で出版されて話題を呼んだ、2000年代のNY/ブルックリン・シーンの回顧録『Meet Me in the Bathroom: Rebirth & Rock & Roll in New York City』も、いわばそうした「インディ・ロック」の歴史化を象徴する出来事のように思えてならない。

いずれにせよ、「インディ・ロック」、もしくはロック・バンドがいま、少なくとも10年前とは比べようもないほどにそのプレゼンスを失っていることは間違いない。たとえばイギリスでは先日、シングル・チャートの集計方法が改正され、同一アーティストの楽曲が3曲以上ランクインできないようになった。その背景にあるのは、Spotifyなどストリーミング・サーヴィスの影響で、エド・シーランやドレイクのアルバム収録曲が全曲チャートにランクインし、チャートがほぼエド・シーランとドレイクに独占されてしまった、という事実。つまり欧米では、ストリーミング・サーヴィスの隆盛によってポップ・スターがますますプロップスを集める一方、「インディ・ロック」やアンダーグラウンドのアーティスト、あるいは中堅のロック・バンドはその影に存在が埋もれていく、その豊かさや先進性がアテンションを集めた場所をとって代わられているという現状がある。

もちろん、そうした状況を理解し、何かしらのリアクションを起こしている意識的なアーティストは存在する。たとえばクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジがニュー・アルバムのプロデューサーにマーク・ロンソンを迎えたこと、あるいはセイント・ヴィンセントがブリーチャーズのジャック・アントノフと新曲を書き下ろしているらしいことも、そうしたポップ・ミュージック全盛の状況に応じたかれらなりのステイトメントとして受け止めることができるかもしれない。

そして、ビークというバンドは、そうした状況に対して、もっともストイックに、ある意味エクストリームなかたちで対峙している、と断言していい。それは音楽的にはもちろん。「インディ・ロック」が形骸化し、ストリーミング・サーヴィスの功罪で豊かさが損なわれた音楽文化の状況全体に中指を立て、そんなものには一切関わりあいたくない、とビークは言っている。

つまりビークは、クラウト・ロックやドローンをただ単に趣味的に追求しているのではない。2000年代の終わりにポーティスヘッドのジェフ・バーロウが軸となり結成されて以来、同時代の「インディ・ロック」やアンダーグラウンド・シーンの動向と共振を見せながらも、自分たちのサウンドや活動がもたらす異化作用については一貫して意識的である、と言っていい。そして、2017年の音楽シーンの状況を把握し、その中で自分たちがどういったスタンスを選ぶべきかを明確に理解している。今回の〈ホステス・クラブ・オールナイター〉への出演も、そうした理解の延長に決断されたものであることは言うまでもないだろう。

というわけで今回のインタヴューでは、ビーク/ジェフ・バーロウというアングルから現在の音楽シーンはどのように見えるのか、語ってもらった。と同時にこのインタヴューは、ビークというバンド/ジェフ・バーロウというアーティストの音楽的/活動スタンスをあらためて浮き彫りにし、その現在地を探るためのサブ・テキストでもある。そしてこれを読めば、いまの日本でビークのライヴを観られることがいかに貴重でスペシャルなことであるのかが、きっとわかるはずだ。




●ビークのライヴを日本で観られることに興奮しています。

ジェフ・バーロウ(以下、ジェフ)「クール! ありがとう」

●私自身、いまのポップ・シーンのあり方にいろいろと辟易している部分があるので、ライヴそのものも楽しみですが、今回のあなたたちの来日が現状に対する何かしらの起爆剤になるのでは、と期待しています。

ジェフ「だといいね」

ビリー・フラー(以下、ビリー)「でもこっち(UK)のメインストリームのポップ・カルチャーも同じで、そこで僕らは何も変えてないし」

●でも、このあいだの〈グラストンベリー・フェスティヴァル〉で、ジェフが出演しているアーティストについて、Bitmojiを使っていろいろとツイートしてましたよね。いろんなポップ・アーティストを槍玉に挙げて。「ジェフ・バーロウってこういうことするひとなんだ!?」っていう意外性も含めて面白かったんですけど。そもそもああいうことをやろうと思った動機ってどこにあったんですか?

ジェフ「すごく酔っ払ってたんだよ。それだけ」

●(笑)何をツイートしたかは覚えてますよね?

ジェフ「なんとかね。まあ、僕は……僕ら3人とも、〈グラストンベリー〉とは愛憎関係にあるんだと思う。愛の方が大きいんだけど、時々……UKの音楽シーンに何が起きたかっていうと、UKのオルタナティヴな音楽そのものが潰されたんだ。フローレンス・アンド・ザ・マシーンなんかが、一番クールでアンダーグラウンドなバンドになってしまうまでにね。みんなあれがコンテンポラリーなオルタナティヴ・ミュージックだと思ってるんだよ。で、そのライン以下のバンドは絶対ポピュラーにはならない。それが許されてないから」

Florence + The Machine / Queen of Peace & Long and Lost


●ツイート自体はBitmojiを使ったカジュアルなものでしたが、その内容は批評・批判的な意味合いを含んだものであり、そこにはあなたなりの見解やジャッジメントが反映されていたと思うんですね。それっていうのはやはり、今の音楽シーン全体にあなた自身、構造的な問題を感じているということなんでしょうか?

ジェフ「うん。つまりは企業との関係ってこと。たとえばビークがさらにビッグになろうとしたって、それは不可能なんだ。まず、そのためにはパブリシストを雇わなきゃならない。昔風にラジオ局で曲を流すためにも。でもラジオ局は基本的にコカコーラがスポンサーになってるし、アーティスティックな主張なんてどこにもないんだよ。企業的な主張があるだけ。だから、“難しすぎる”ものは嫌がる。エド・シーランがあれだけ売れるのは、『この音楽を聴いて、コーラを飲もう!』みたいなものとされてるから。連携してるんだ」

Ed Sheeran / Shape of You


ジェフ「そう、僕らは昨日アーケイド・ファイアとライヴをやったんだけど、彼らがやってることは本当に素晴らしい。新しいシングルの“クリーチャーズ・コンフォート”は自殺についての曲なんだよ! ものすごく痛烈なことについての、極上のポップ・ソングなんだ。僕自身、歌詞を書くのに時間も手間もかかるからよくわかる。で、さっきラジオの話をしたけど、いまはSpotifyなんだろうね。でも企業ってことでは同じだよ」

●そのあたりの問題意識について、具体的に訊いていきたいんですけど。たとえばいま名前の挙がったエド・シーランについては、例のツイートでも槍玉に挙がっていましたよね。そのツイートであなたは――。

ジェフ「正直言って……僕の左にいるのがビリーで、右にいるのがウィル。で、僕ら3人は来月日本に行く。いまは僕の〈グラストンベリー〉のツイートのことや、エド・シーランのことについて話したくはないんだけど。単純な話、初来日について質問してほしい。その時また別に会って、エド・シーランの話をすればいいしね」

●では、ビークのソングライティングについて伺います。ビークにおいては、基本ライヴ・レコーディングのみ、オーヴァー・ダブはなし、アレンジメントにおいてのみエディットが許される――などといったいくつかの決まりごとの下で、3人のメンバー内ですべてが完結する制作スタイルが敷かれている。そうしたビーク自体の音楽的なコンセプトを絞り込む意義について、具体的に言語化してもらえますか?

ビリー「いや、それについては話し合ったわけじゃないんだ。ルールを設定しよう、とか。むしろ始めたときに僕らがお互いをよく知らなかったことから生まれてきた。よく知らない相手にはきちんと振る舞うだろう? そういう感じで、機材を準備して……あと、3人ともそのとき他にやってたプロジェクトが、オーヴァー・ダブが多いプロジェクトだったんだ。そのせいで(1stアルバム『Beak>』が)完成するまでに2年もかかったり。だからスタジオに入ったときに、『よし、またキッズに戻ってガレージでプレイするふりをしよう』って思った。ほんと、全部そこから生まれたんだよ。そのくらい単純だった。で、最初に一緒にプレイしたのを録音して、それが実際、1stアルバムの最初のトラック(“バックウェル”)になった。だから、ものすごくシンプルだったんだよ(笑)」

Beak> / Backwell


●きっかけがそれだとしても、以後もそのアイデアを続けた理由は?

ビリー「まずはそれを突き詰めてみたかったことと……でも、何年か後にオーヴァー・ダブが必要だと思ったら、一回やってみたりもしたし。(ジェフに)だろ? それも僕らがスタジオでやる即興の一部なんだ。それがうまくいったら曲にまで持っていく。ただ、ライヴで録音する前にそのインプロヴィゼーションを練習するんだ。ライヴで即興をやることは絶対ない」

●ジェフはカンやソフト・マシーンからの影響をこれまでにも公言してきてますよね。ただ、いま話してくれたようなビークのコンセプト、スタイルのロール・モデルを探すとしたら、どんなバンドやアーティストが挙げられるんでしょうか?

Can / Monster Movie

Soft Machine / Third


ジェフ「いや、僕が言いたいのは、何が起きたかっていうと……僕らはとにかく集まって、やってみた。どんな種類の先入観もなしにね。サウンドがどうなるか、どんなものになるのかもまったく考えてなかったんだ。機材をセッティングして、プレイしただけ。変な話、僕らみんなカンが好きだし、クラフトワークが好きだけど、同時にみんなビーチ・ボーイズが好きだし(笑)。とにかくいい音楽が好き、ってこと。なんだってかまわない。ジェームズ・ホールデン、レディオヘッド……名前ならいくらだって挙げられる。でも、僕らは何も考えずにこの音楽を作り始めたんだ。ただ、使ってた楽器のせいで――ドラム・キットと昔のオルガン、シンセサイザー、ベース・ギターだった――自然と古い感じに聞こえた。もしドラム・マシンとピアノ、チェロだったら、また違う感じに聞こえただろうし。だから音楽的な制約はむしろ結果的なもので、僕らの考えよりも楽器で作られたんじゃないかな」

●ちなみに、3人にとってはクラウト・ロックのどんなところがスペシャルだったのでしょうか?

ビリー「もちろん影響はある。とはいってもクラウト・ロックへの愛情が必ずしも特別だってことじゃないんだけどね。バンドによっても違うし。クラフトワークだけじゃなく、クラウト・ロックといえば思いつくような有名なバンド、カンやファウストもまた、僕らがいまやっているようなことが好きだって気づいたんじゃないかな。つまり、彼らもメンバーが一つの部屋に集まってプレイするのを楽しみ、リフが一つしかないような12分間の曲が気に入って、それを録音してたんだ。僕らの場合、そういうことをやりたいって方がずっと大きいんだよ。意識的にファウストのレコードを聴いて、『こういうサウンドにしなきゃな』っていうんじゃなくてね」

●なるほど。

ビリー「あとはさっきも言ったけど、僕らがたまたま使った古い機材が、彼らが使ってた機材の半分と同じだったっていうのもある。持ってたのが古いシンセサイザーやオルガン、テクノやジャズのドラム・キットだったから。それでやるといわゆる“ロック”的な音になるわけもなく、サウンド的に似るのは避けられなかった。テープに録音したのも理由だろうし」

ジェフ「もう一つ言えるのは、多くのバンドは伝統的なブルーズの音階(スケール)に頼るんだよね。でも僕らの場合、ヨーロッパのクラシックな音階の方に頼っていると思う。そこが大きな違いになるんだ。実際、一番の違いはそこなんじゃないかな。みんな、ブルーズっぽくしちゃうんだよ。で、僕らはしない」

●では逆に、3人の間ではまったくシェアされていない、個々の音楽的な趣向ってあるんですか?

ビリー「僕はジミー・ネイルの“クロコダイル・シューズ”だな(笑)」

ジェフ「(笑)。ウィルもあるだろ?」

ウィル・ヤング(以下、ウィル)「僕はゴミみたいな音楽、いろいろ好きだからなあ」

ジェフ「そうだな、実際」

ウィル「あとたぶん、僕はパンクをよく聴くんだよね。そこはシェアされてない。なんかこの質問、恥ずかしいことの告白みたいじゃない?」

ジェフ「僕はどうかな。パブ・ロックとか? いや……違う違う! ミュージカルだ。ブロードウェイとかの舞台のミュージカル。実は『ヘアー』とか、“エイジ・オブ・アクエリアス”が大好きなんだよ。実際僕ら、『ヘアー』の曲もやってたし。だからまあ、ビークのなかにも忍び込んでたな(笑)」

The Fifth Dimension / Aquarius


●シェアされなくても、ある意味いろんなものがスパイスとしてビークの音楽に入り込んできてる?

ジェフ「その通り。たぶん、サウンドのせいでそうは思われてないみたいなんだけど、僕ら自身はものすごくいろんな要素が入ってくるのを許してる。本当にね。その方が実用的でもあるんだ。ゴミみたいなものもどんどん入ってくるまま、そこから作り上げていく、っていう」

ウィル「最初にも話したけど、ビークとしての前提があるわけじゃないんだよ。『洗練されたR&Bレコードを作ってみよう』とか、そういうのがまったくない。僕らの場合、明らかにすべての影響が入ってくるし、インプロヴァイズするときなんか、その日の朝聴いたものに左右されたり。それが数週間前に聴いたものだったりもするしね。でも、そこにはつねにソリッドなベースがあるんだ。楽器を習うときって、みんな大抵は自分の好きなものを弾いて身につけていくよね? それが基本になる」

ビリー「あと思うのは、たとえビークとして洗練されたR&Bレコードを作ろうとしても、結局はビークのレコードみたいなサウンドになるんじゃないかな」

ウィル「だね」

●なるほど。では、対してビークのサウンドの現代性みたいなところについて訊いていきたいんですけど。ビークを結成した当時(※2000年代の終わりごろ)のインタヴューで、ジェフがサンO)))やオムといったいわゆるドゥーム・メタルやドローン/スラッジ系の音楽をよく聴いている、と話していたのを覚えています。そもそもああいう音楽のどういうところに惹かれたのか、教えていただけますか?

ジェフ「まあ、ビークっていうのは……(ビリーに)たぶん、お前は好きじゃないよな」

ビリー「(ジェフに)ドゥームっぽいやつ? うん、僕はサンO)))はあんまり好きじゃない。でもオムは好きだし、彼らのアルバム『コンフェレンス・オブ・ザ・バーズ』もグレイトなレコードだね」

Om / Conference of the Birds


ビリー「あれはサウンドがいい。歌詞は何についてか知らないけど、サウンドがコズミックだ。あのフリークエンシー。あれもドラム・キットとベースだけなんだけど、ベースがファンタスティックなんだ。すべてのアングル、すべてのフリークエンシーをベースがカヴァーしてる。僕にはそこがすごく興味深い。普通、レコードでそういうのは聴けないからね。とてもシンプルなのに、エクストリームでパワフルなものを聴くのはすごくいい。そこにはビークの世界に持ち込めるものがあったと思う。別にやろうとしたわけじゃないけど、あのヘヴィさだよね。ビークの2ndアルバム(※正しくは1stアルバム)に“ハム・グリーン”っていうトラックがあるんだけど、あれなんかそうじゃないかな」

Beak> / Ham Green


ビリー「うん、だからオムはグレイトなバンドだけど、僕にサンO))のことは訊かないでくれ」

ジェフ「(笑)」

●ちなみにジェフは、サンO))やオムのライヴを観たときに「初めてパブリック・エネミーを聴いたときと同じくらいの衝撃を受けた」とも話していましたね。

ジェフ「うん。まあ、個人的な話になるんだけどね。僕はずっとライヴをやってきて……標準的なクラブでのライヴや、ヨーロッパのいろんなフェスなんかで。で、そういうフェスではまともなバンドはほとんど出てなくて。そういうのから帰ってきて、サンO))を観たときに……ある意味、カタルシスみたいな瞬間だったんだよ。ただノイズを浴びせかけられて。それで何が起きたかっていうと、人気フェスでプレイすることで僕が聴き慣れてたクソみたいな音楽が全部、吹っ飛ばされたんだ。まるで悪魔祓いみたいだった。自分が耳にしてためちゃくちゃにひどい音楽が一気に吹き飛ばされて、まともな音楽に置き換えられたんだよ」

ビリー「超新鮮だったんだよな」

Sunn O))) / Boiler Room Berlin Live Set


ウィル「特にライヴはそうなんだよね。僕自身は彼らの大ファンってわけじゃないけど、ライヴはもう、実際……『こんなの観たことない!』っていうのに近かった。それに、アティテュードが全然違うんだ。特にビッグなフェスなんかでやると、どのバンドも……ハイネケンの広告がバーンと立ってて、やたら企業的なものばっかりで、集まってるのもナイスで魅力的な人たちで」

ジェフ「(笑)」

ウィル「でも彼らが出てくると、他のバンドの倍もラウドで、1時間くらい延々2つの音だけ鳴らしてたり。まさに『ファック・オフ!』って感じなんだ。『くそくらえ』って」

ジェフ「うん、それこそ僕らみんなが必要としてるものなんだ。みんな、時折そういうのを体験しなきゃいけないんだよ。そして、時折そういうことをするバンドが出てくる。この2人(ビリーとウィル)は3週間ほど前、ジー・オー・シーズ(※現在はオー・シーズに改名)を観たんだよ。すごくよかったらしくて」

ビリー「最高だった」

Thee Oh Sees / live in France 2017


●そうしたビークの音楽性とはそもそも、ブリストルや英国ではなく、むしろアメリカのアンダーグラウンドなロック・シーンとシェアされるものだったように思うのですが、あなたたち自身の視点はどうですか? ちなみにビークの1stアルバムは、アメリカではメルヴィンズやアイシスを擁するマイク・パットン主宰の〈イピキャック〉からリリースされたわけですけど。

ジェフ「だと思う。1枚目ではね。ただビークっていうのは何よりも、びっくり箱みたいなものなんじゃないかな」

ビリー「そう。僕自身、いまだにビークのサウンドはなんなのかわからないし。うまくまとめられる言葉がないと思う」

ジェフ「以前は自分たちのことをリグレッシヴ・ロック(regressive rock)、退化ロックって呼んでたんだ(笑)」

●とはいえ、アメリカのアンダーグラウンド・シーンには自分たちと共通するものを感じるところがあったんですよね?

ジェフ「いや、そういうんじゃないな。彼らのライヴとかに行くと、すごくいいとは感じてたけど。なんていうか、イカレてて、混沌としてて(笑)」

ビリー「『自分たちはいまからロックやります』って感じじゃないんだよ。いわゆるパフォーマンスじゃない。そこはビークも同じかもしれないけど、ステージに上がって胸を張って、『これからこの曲をやります、ライヴのこの部分に入ります』っていうんじゃない。僕らもただ曲をプレイしてるだけだしね。僕なんかステージでは椅子に座ってるから、体の部分で動いてるのは左足だけ。わかんないけど、それでも観てて面白いらしいし」


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