まったくもって目が離せない。と思いませんか? 若き天才兄弟デュオ、ディスクロージャーの動向は。初登場で全英1位をかっさらった『セトル』以来、オリジナル作品のリリースはご無沙汰ですが、その人気は今もとんでもない勢いで拡大中。本国イギリスではアルバム発売から一年を経て遂にアリーナ級の会場を満杯にしましたし、日本でもスタジオコースト公演をあっさり完売。でも、なにより驚かされたのは、2014年のニュー・イヤーズ・イヴのこと。クラブ・シーンが一年でもっとも派手に盛り上がるこの日に、彼らはなんとマンハッタンのド真ん中にある6500人収容の大会場で、自身主宰のパーティ〈ワイルド・ライフ〉を開催したんですから! EDMとはかけ離れている彼らが、アメリカでもこんなに早くブレイクするとは誰が予想したでしょうか? ほんと、ビックリですよ。今やディスクロージャーの人気は、文字通り「世界的」なものになっているわけです。
こうなると一層注目が集まるのが、彼らが「誰とコラボした/するのか?」ということ。サム・スミスでの実績を例に挙げるまでもなく、ディスクロージャーの二人は新人や隠れた実力者の才能を見抜く目利きとしても信頼されています。次に誰が天下のディスクロージャーからお墨付きをもらうのか? というのは、誰もが気になるところなはず。
その一方で、すっかり人気者となったローレンス兄弟は、超大物アーティストから声をかけられる機会も多くなりました。ビョークが年内発売と噂される新作でアルカやハクサン・クロークを起用して大きな話題になっているように、ベテラン/大物は「どの若手を起用するのか?」でセンスを問われるところがあります。実際、今のタイミングでディスクロージャーを起用するベテランは、最新の音楽への嗅覚の鋭さを持っていると言えるでしょう。そういった意味でも、ベテラン/大物たちとのコラボも目が離せません。
つまり、ディスクロージャーのコラボ相手を知ることは、「今、誰に注目すべきか?」を知ることなんです。なので、選んでみました。ディスクロージャーの最強コラボレーター10選!
ディスクロージャーとのコラボ、と言えば真っ先に名前が挙がるのがサム・スミスでしょう。今さら説明するまでもありませんが、彼はディスクロージャーの初期シングルにしてブレイクスルー作、“ラッチ”でソウルフルな美声を響かせているシンガー。第57回グラミー賞で最多6部門にノミネートされるなど、名実ともに「2014年の顔」になりました。そんな彼を無名時代に起用し、ブレイクのきっかけを作ったディスクロージャーは流石と言う他ない。先見の明があり過ぎ。ちなみに、アメリカではサム・スミスの人気に引っ張られる形で、“ラッチ”がシングル・チャートのトップ10入りを果たすという逆転現象も起きましたね。何にせよ、「ディスクロージャーのコラボ相手は注目!」という空気はこのタッグから生まれた、と言っていいでしょう。
遂にディスクロージャーもここまで来たか。と驚かされたのが、女王メアリー・J.ブライジとのコラボ諸作。その第一弾は、ブライジのパワフルな歌声が駆け巡る“F・フォー・ユー”のゴージャズなリメイクでした。上の動画がそれですが、公開からわずか二日で100万ヴューを超えたことからも、どれだけ衝撃的な事件だったかが窺えます。もうディスクロージャーは、「ポスト・ダブステップの落とし子」とか、「英国のハウス・リヴァイヴァルが生んだトップ・スター」とか、そういうレヴェルの存在ではなくなった――との認識が定着したのが、この辺りからではないでしょうか。なにしろ、先日はマドンナとスタジオ入りしていることも報じられましたからね。
ブライジとのコラボは手応えがあったようで、ディスクロージャーはサム・スミスなどと共に彼女の新作『ザ・ロンドン・セッションズ』にも参加。以下の二曲でプロデュースを手掛けています。どちらもバッチリな出来ですが、特に“フォロー”の方は“F・フォー・ユー”に近いハウス・テイストのトラックで、ディスクロージャーのファンにも受けが良さそう。
実はディスクロージャーと一緒に、サム・スミス、メアリー・J.ブライジとのコラボに参加している「陰の主役」がいるのは知っていましたか? それがこのロンドン出身の27歳、ジミー・ネイプスです。“ラッチ”はローレンス兄弟とサム・スミスと彼が四人で書いた曲で、サム・スミスの大ヒット“ステイ・ウィズ・ミー”もネイプスのペンによるもの。一般的にはまだ無名の彼ですが、これから大注目の気鋭ソングライターなんです。
そんなネイプスも、今年3月には遂に自身名義のデビュー・シングル『ザ・メイキング・オブ・ミー』をリリース。上の曲がそのリード・トラックですが、なるほど、確かに“ラッチ”や“ステイ・ウィズ・ミー”の作曲者というのも納得の絶妙なポップ・センスが光っています(この曲は、ローレンス兄弟の弟、ハワードがプロデュース)。表舞台に裏舞台にと、今後ネイプスが八面六腑の活躍を見せるのは間違いないでしょう。
ダフト・パンクによって再び光が当てられたことで、完全に人気が再燃したナイル・ロジャース。言わずと知れたシックのリーダー/ギタリストですが、彼の超絶ファンキーなギター・カッティングは今や若手たちから引っ張りだこです。アヴィーチーやテンスネイクなど、大箱向けのダンス・アクトとの共演が特に目立ちますが、突如発表されたディスクロージャーとのコラボもありましたね。しかも、サム・スミス、ジミー・ネイプスとの連名という鉄壁の布陣。これで悪いわけがありません。スモーキーでロマンティックなディスコ・ファンク。最高です。
クラブ系アクトの場合、誰をリミックスして、誰にリミックスされたか、というのも指標として重要。なので、これまで取り上げてきたような「純粋なコラボ」とはやや毛色が違いますが、ここでは「リミックスでディスクロージャーと縁のあるアーティスト」を紹介しましょう。敢えて一組を選ぶのは難しいですが、今回はフルームをピックアップします。
フルームは、オーストラリアの気鋭レーベル〈フューチャー・クラシック〉に所属するトラック・メイカー。レーベル・メイトのチェット・フェイカーが豪州のジェイムス・ブレイクだとすれば、彼は豪州のフライング・ロータス――と言ったら、流石に褒め過ぎでしょうか? ただ実際、一昔前のフライ・ローを髣髴とさせるサイケデリックでトリッピーなビートが得意なのは確かで(オーストラリア出身ならではのトランシーなコード感も肝ですが)、上の“ユー&ミー”のリミックスでもかなり大胆な解釈を聴かせています。ちなみに、彼の1st『フルーム』は全豪初登場2位と、今や結構な売れっ子です。
では、せっかくなので、これ以外のディスクロージャー関連のリミックスも幾つか以下に貼っておきましょう。二人のルーツが垣間見られるものもあり、なかなか興味深いです。
ということで、前編はこれにて終了。残りの5組をチェックするには、早速以下のリンクをクリック!
「今注目すべきアーティストが丸わかり!
最強の目利き、ディスクロージャーの
コラボレーター厳選10組! pt.2」
はこちら。