『ローリング・ストーン』誌が選んだ「世界を牛耳る25人のDJ」というランキングで、一人だけ異彩を放っている男がいる。人気のEDM勢やミニマル・テクノのトップ・スターなどがひしめき合う中、10位にランクインしているのは、まるでサマー・オブ・ラヴの時代からタイムスリップしてきたような風貌の男(上の写真だと、だいぶこざっぱりしているが)――何を隠そう、それがDJハーヴィだ。
ハーヴィの輝かしい歴史はしかし、サマー・オブ・ラヴではなく、セカンド・サマー・オブ・ラヴから始まっている。つまりレイヴ・ミュージック全盛の時代だが、当時から彼が志向していたのは、ディスコ/ハウスを軸に、ソウル、ジャズ、ロック、レゲエなども躊躇なくターンテーブルへと乗せていくDJスタイル。イジャット・ボーイズが彼に大いに感化されたというエピソードに象徴的なように、それは後にニュー・ディスコと呼ばれる音楽の青写真となった――というのが現在の史実となっている。『ローリング・ストーン』さえも認めざるを得ないアイコンとして、ハーヴィが揺るぎない地位を確立しているのは、おそらくそのためだろう。
だが勿論、ニュー・ディスコ云々を抜きにしたって、彼のDJは素晴らしい。百聞は一見にしかず。〈トンカ・ハイ・ファイ〉というパーティ・クルーの一員として、ブライトンのザップ・クラブを拠点にDJをしていた90年当時の貴重な映像を見てみよう。音質は悪く、ハーヴィの姿もほとんど映っていないが、とにかく凄まじい熱気が伝わってくる。それにしても、よくこんな映像残っていたなー。
名門ミニストリー・オブ・サウンドのレジデントDJとして華々しく活躍していた90年代は毎年のように来日していたハーヴィだが、2001年にロサンゼルスに移住した後、ビザの問題で8年近くに渡ってアメリカ国内で幽閉状態に。だが、その空白期間がむしろ人々の想像力を刺激し、ハーヴィの存在や功績は、ほとんど神話のようにして語り継がれることになった。2010年にはビザの問題もクリアされ、コンスタントな来日を再開したハーヴィだが、そのDJの魅力は勿論、今も健在である。
そして――そんなDJハーヴィが今年も日本にやってくる。初来日から25年というメモリアル・イヤーに開催されるのは、6月27日(金)の名古屋を皮切りに、全国7ヶ所を周る本格的なツアーだ。これを機に、あなたも「生ける伝説」の目撃者となろう!
〈DJ HARVEY 25TH ANNIVERSARY TOUR OF JAPAN
supported by NEIGHBORHOOD〉
出演:
DJ HARVEY (Locussolus, Wildest Dreams / LA)
日程/会場:
6月27日(金)名古屋 MAGO
6月28日(土)東京 AGEHA
6月29日(日)Secret Venue/City
7月2日(水)札幌 PRECIOUS HALL
7月5日(土)沖縄 BROOK
7月6日(日)大阪 名村造船所跡地/STUDIO PARTITA
7月7日(月)江ノ島 OPPA-LA
Artist promoted & Tour coordinated by HITOMI Productions, Inc.
*DJ HARVEY x NEIGHBORHOODコラボ・アイテムを、DJハーヴィのツアー会場、及び全国のNEIGHBORHOOD取扱店にて数量限定販売。
FacebookkWfThW~WF