SIGN OF THE DAY

イースト・ロンドン今昔物語。部外者であり
当事者でもあるボー・ニンゲンのタイゲンが
語る「ホラーズと英国シーンの10年」:後編
by SOICHIRO TANAKA October 02, 2017
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イースト・ロンドン今昔物語。部外者であり<br />
当事者でもあるボー・ニンゲンのタイゲンが<br />
語る「ホラーズと英国シーンの10年」:後編

イースト・ロンドン今昔物語。部外者であり
当事者でもあるボー・ニンゲンのタイゲンが
語る「ホラーズと英国シーンの10年」:前編



●では、そろそろホラーズの新作『V』の話をさせて下さい。リード・トラック“マシーン”については、事前に本人たちから何か聞いてたりしました?

「今回は全く聞いてなかったんですよね。でも、『今、シングル録ってるんだよね』みたいな話は、共通の知り合いのプレス関係者から聞いたんですよ。『新曲はすごくいいから、カムバックを狙っていかないと』って。それこそ、クラウトロック・カラオケの現場だったんですけど。それが“マシーン”発表の一ヶ月前くらいの話でした。実際、それまで温めてたものが“マシーン”で久々に来たなっていう印象でしたね」

The Horrors / Machine (2017)


●うん、僕も久々に「これだ!」って思いました。

「Facebookでメンバー本人たちの“マシーン”に関するポストが流れてくるより前に、Twitterでタナソウさんのツイートが流れてきたんですよ(笑)。それが一番早かったんです」

●ハハハハッ。

「で、それを見て、聴いてみたんですけど、『ヤラれた!』って。久々にイギリスのバンドものにヤラれたっていうのは、僕もタナソウさんと同意見で。ポール・エプワースもめちゃくちゃハマってますし。ジェフ・バーロウもそうですけど、ポップなことも出来る人の方がハマる感じがしますね」

●うん、そう思います。

「プロダクションがすごくいいですよね。ホラーズって音オタクというか、音響とかにすごいこだわってるじゃないですか。それってイギリスの最近のバンドにはあんまりいないし、彼らの強みではあると思うんですけど。今回みたいに(プロデューサーとして)もう一人いるとそれが分かりやすくなる、っていうのは感じました」

●同感です。

「“マシーン”が出た時、リースの弟で、元スカムのフュー・ウェッブっていうのが最近始めたバンドが、カフェみたいなところでインストアをしていて。そこでリースに会ったんですよ。『“マシーン”がすごいよくて、期待以上だった』って感想を伝えたら、本人もすごくエキサイトしていて。制作秘話もいろいろ教えてくれました」

●どんなことを言っていたんですか?

「あの曲の『ネヴァー、ネヴァー』ってコーラスは、〈ラウンド・バー〉から帰る時に思いついたメロディなんだ、とか。ファリスは素晴らしいリリシストだから、そのメロディに合う歌詞をつけてくれた、みたいな話をしてて。あと、『ドラムの音もすごくよかった。あれはポール・エプワースがやったの?』って訊いたら、『あれはトムがやった』って」

●ああ、そうなんですね。

「ウォーペイントのライヴでトムに久々に会ったんで、彼とも話したんですよ。『イントロのドラムと、曲中でも生ドラムに混ぜてる打ち込みの混ぜ方がかっこいい』みたいな話をしたら、『あれは俺がやったんだ』って。だから今回は、実際に“マシーン”を聴いてから、ホラーズの外交担当の2人と話をして色々と聞いた感じでした。『激しくてインダストリアルな感じだけどキャッチー、っていうブレイクスルーをするのは、イギリスでは本当に久々だよね』みたいな話も本人たちにしたんですけど、彼らも実感はあるみたいで、『ライヴするのが楽しみ』って話してましたね」

●今年の〈ホステス・クラブ・オールナイター〉で彼らのライヴを観たんですよ。ホラーズって、演奏は上手くもないし下手でもないけど、バランスがいいでしょ? アンサンブル全体のバランスもいいんだけど、ギター、ベース、鍵盤、太鼓、それぞれの音色のバランスが本当によくて。とにかく音色の選び方に関してはケチのつけようがない。音量も大き過ぎず、小さ過ぎずで、バランスいいし。あれはすごいと思いましたね。

「そこは本人たちも一番気にかけているところでしょうね。〈ホステス・クラブ・オールナイター〉って、僕たちも出たことありますけど、基本的にサウンドチェック無しじゃないですか。それでその音が感じられたのはすごいですね。あと、今年の〈ホステス・クラブ・オールナイター〉はビークも出てたんですよね? 彼らの話もしたいですね。あれこそ、日本と本国で印象が変わりそうな」

Beak / Sex Music (2017)


●本国だと、ビークはどういう印象なんですか?

「僕らの正直な感想だと、『ん?』っていう(笑)。ホラーズがブリクストン・アカデミーでやった時、ビークが出てたんですよ。それが2013年とかなんで、それから変わってるかもしれないですけど。ジェフは知っての通り、プロデュース能力はすごくあるんですけど、ビークに関しては好きなことをやってるのかな、っていう印象でした。自分のやりたいことをやるプロジェクト、っていうイメージです」

●うん、日本でもホントのびのびとやってた。音楽的野心も商業的な野心も、良い意味でも悪い意味でもまったく感じられない。でも、そういうのびのびした感じって、日本だと、なかなか体験出来ないものだったりするから。

「それはある意味、イギリスっぽいのかもしれないですね。日本に来ないイギリス人。むしろ、ジェフくらいじゃないと、それで日本に行けないんですよ。たぶん、うちらにとってはそれが日常茶飯事なんで、『お前もか』みたいな感じだったんですけど(笑)。もちろんクオリティは高いわけで、そこら辺のバンドとは全く違いますよ。でも、ダイレクションとしてはイギリスっぽい。逆に、日本の人にとっては新しかったのかもしれないですね」

●日本の場合は、次の作品で形に残して、次のツアーとフェス出演で一歩上に行かなきゃいけない、サヴァイヴしなきゃいけない、っていうのでギスギスなので。ライヴだけで何とかやっていける、って日本だとないじゃないですか。だから、ああいうヴァイブレーションのバンドがなかなかいない。

「そこはイギリスの音楽業界のいいところだとは思ってまして。基本的にうちらも副職とかパートタイム・ジョブをやってないんで。それで貯金がそんなに減らないのは不思議なくらいなんですが。日本だと、うちらの規模と音楽性じゃ、まずありえないので。アメリカだとまたちょっと変わってくるんでしょうけど」

●アメリカもツアーとライヴ会場での物販の売り上げでバンドが食べていけるシステムが出来ていたからね。最近は少し変わってきているみたいだけど。

「うちらは今、アルバムの音楽性とかダイレクションを考えなきゃいけない、っていう話をちょうどしているところなんです。でも、それは決して生活しなきゃいけないから、というわけではないので。バンドとして次のステップにいきたい、っていう向上心やチャレンジで考えているので。こうしなきゃ食えないし、っていう悩みではないのは、すごくありがたい環境ではあるのかな。まさかビークからそんな話に繋がるとは思いませんでしたけど(笑)」

●ハハハッ(笑)。

「でも、それがイギリスのバンドの強みでもあるし、長く住んでると、『えっ?』って思うところでもあるっていう。だから、日本とイギリスの音楽を比べて聴くと、シーンの違いで楽しめるんですよ。昔はアイドルのシーンって異常だなって思ってたけど、今の話を聞くとロック・バンドも異常じゃないですか。それで悲壮感が漂っちゃう人もいますよね。そういうのがガラパゴスで面白い部分はあるけど、僕が面白がれるのって、イギリスにいるからで。もし日本にいたら、日本の音楽業界なんてクソだ、ってなっちゃうのもすごくよく分かります。でも、イギリスにいると真逆で、ぬるま湯になってしまっている人も多いんです」

●なるほどね。

「住みにくい国ではありますけど、音楽業界的には日本よりは健康ではある気がしますね。ジェイムス・ブレイクにしろ、The xxにしろ、アングラとも繋がってるじゃないですか。ジェイムス・ブレイクは低音界隈からもリスペクトされていて、マラのリミックスとかをやってるんですよ。その界隈ではヒーローみたいな感じで、英雄扱いされてる。だから、こっちのアーティストは戦略でガチガチに固めているわけじゃないんですよね。ホラーズはイースト・ロンドン的なインディ押しはあったにせよ、彼らの進化っていうのは自然なもので、売れるためだけじゃない」

●そうだね。

「『ルミナス』が若干スルーされたにしても、それで生活出来てないわけじゃないですから。もちろん彼らも『ルミナス』以降、ちょっと悩んだりはしたかもしれないですけど。もし日本だったら、レーベル契約切られました、解散しちゃいました、ってなってもおかしくないじゃないですか。だから、マイペースで出来るっていうのは僕も感じます。最近はブレグジットとか不況の影響もあって、『アーティストが他の仕事を持つのは恥ずべきことではない』みたいな記事もちょこちょこ増えてきてますけど」

●ああ、そうなんだ。

「いかにサヴァイヴが難しくなってきているか、っていう話ですよね。徐々に住みにくくはなってきてるんですけど、日本みたいならなきゃいいな、って思います。これからが心配なイギリス、っていうところがありつつも、って感じですね」

●じゃあ、ホラーズの“マシーン”以降のシングルとかアルバムは聴きました?

「アルバムはまだ聴いてないですが(*インタヴューはアルバムのリリース前)、2ndシングルは聴きました」

●“サムシング・トゥ・リメンバー・ミー・バイ”ですよね。あれはどうでしたか?

「“マシーン”と近い方向ですよね。リースと話して、ああいうシングルがまだあって、アルバムもああいう方向性で、って話してた通りというか」

The Horrors / Something To Remember Me By (2017)


「うちらは行けなかったんですけど、彼らは一ヶ月前くらいにロンドンの小さなハコでショーをやったんですよ。それが結構話題になってたし、イギリス人らしい意地悪批評みたいなものも含めて、明らかに以前よりも人が話題にしてるのは感じますね。音楽をやってない友達もホラーズの話をしたりとか。“マシーン”のジャケ問題があったのって知ってます?」

●あのアートワークがジェシー・カンダの作品に似ているんじゃないか、っていう話ですよね。

「そうです。クリス・カニンガム以降のエログロみたいな、ああいうものが今すごくクールとされてて流行っているんですけど。ホラーズのあれはジェシー・カンダと似てる、っていう話になったんですよ。ジェシーはTwitterでステートメントを発表してて、『(自分が似てると指摘される)クリス・カニンガムのアートを思春期に見つけてなかったら、自分のアートも今と同じようにはなっていなかっただろう』って」

●それでひとまず収束した感じでしたね。

「そうですね。炎上商法じゃないですけど、そういうジャケ問題というのもあって、デザイン/アート界隈の人の目にも止まったと思います。いろんな人が話してる分、前作の『攻殻機動隊』みたいなことにはなっていないっていう(笑)。いろんな人に届いたということでは大成功だし、単純にカッコいいし、すごくいいなって僕はポジティヴに捉えてます」

●じゃあ、タイゲンくんが低音カルチャーとかダブステップ、グライムを聴いていたのは2013年くらいからということなんだけど、最近その辺りをどう見てるのかも教えてください。今年前半は特に個人的にもストームジーとか、J・ハスみたいなグライム新世代の人たちのアルバムをかなり聴いてたんですけど、ストームジーとかは、やっぱり盛り上がっているんですか?

「まさにその辺はすごく気になってて。一年くらい前かな、ワイリーのライヴを観に行ったんですよ。そしたら、本当にガキがめちゃくちゃ多くて。そこまで届いてるんだ、って思ったんです。で、ラジオを聞いてたら、DJがストームジーの名前を出したんで、『えっ?』って。ストームジーって、〈BBC〉でも〈エクストラ〉みたいな、グライムばっかりかかってるところでプレイされるイメージだったんですけど、それが〈BBC 1〉でもかかっていて。調べてみたら、めちゃくちゃバズってたという」

●ライヴって観たことあります?

「この前、〈グラストンベリー〉にうちらが出たんですよ。その時にDJシャドウを観に行こうとして、途中に他のステージでワイリーがやっていて。で、次に彼女がソランジュを見たいっていうから移動していたら、ストームジーもやってたんです」

●どうでした?

「グライムって、2000年代初頭にロール・ディープが流行った時点から、ポップ路線というか、UKガラージみたいなチージーなことまでしちゃうダイレクションもあったじゃないですか。ワイリーも、ヘッドライン・ショーよりは分かりやすくキャッチーなフェス仕様だったんですけど、ストームジーはその中間みたいな。ワイリーも盛り上がってましたけど、ストームジーは本当にすごくて。特に黒人の女の子のキャッキャッした感じがすごかったですね。だから、本当に若い人を巻き込んでの、すごいバージョン・アップしたもの、って感じです」

●あとグライムだと、昨年〈マーキュリー・プライズ〉を取ったスケプタはどうですか?

「あれもびっくりしたんですよ。もうそろそろ忘れられてアングラに戻るのかなって思ってたら、もう一回ハイプが来たんで。それは面白いなって思って見てました。例えば、パンクって、もう今じゃないですよね。パンク・バンドが『トランプが~』とか、『ブレグジットが~』とか言っても、時代じゃないというか。今はそういう存在が、団地の不良みたいなグライム勢になってるっていう。それで若い人が救われてるっていうのはいいんじゃないかな」

●そうだね。

「もちろん、それで抗争が起きるみたいな、ヒップホップ的な悪いところもありますけど。それがイギリスの今を指してるなと思います。そういう意味では、グライムは当時のパンク以上にアティチュードの音楽だし、それが流行っているのは健康的だと僕は思います。刺激は受けますね」

●グライム以外ではどうですか? 日本からすると、最近はブリクストンとかペッカムから面白いバンドがどんどん出てきてるって認識なんですけど。現地にいて、その実感はありますか?

「それはありますね。〈ウィンドミル〉っていうハコがあって、そこは結構面白い人も出てますし。ファット・ホワイト・ファミリーの人がサイド・プロジェクトでやったりとか。僕はサウス・ロンドンでのバンド・イベントには最近そんなに顔を出してないんですけど、実はボー・ニンゲンが結成したばかりの一発目のライヴがペッカムなんですよ」

●あっ、そうなんだ。でも、以前は全然雰囲気が違いましたよね?

「当時は結構危なくて治安の悪い感じだったんですけど、最近は随分オシャレになってきまして。ブリクストンも彼女が今住んでるんでよく行くんです。まだ以前のヴァイヴスも残っているんですが、だんだんジェントリフィケーションが進んで、ファッショナブルなレストランとかバーが増えてて。だから、ライヴ出来る場所とか新しいハコが増えてて、僕らが来たばかりの頃のイースト・ロンドンみたいな感じですね」

●なるほどね。

「サウスでは今、クラブ系でも若い人たちがやるパーティが増えていて。うちの彼女の住まいの近くで、〈ヤング・タークス〉の片割れのティーダってやつがDJやってたりして。そういう意味で、前にイースト・ロンドンに行くのがクールだと思ってたような層が、ジェネレーションが変わって、今ブリクストンがカッコいい、みたいなことにはなってます。でも、本当にブリクストンはオシャレな若者が増えましたよ。平日は黒人だらけで、僕も奇異な目で見られるんですけど、週末は白人率が一気に増えて僕も馴染めるというか。今がいいバランスなんだと思います」

●これからがどうなるかの分岐点、ってことだよね。

「そうですね。イースト・ロンドンと同じように、結局は不動産屋が儲かるだけ、みたいな時期もこれからブリクストン辺りには来るんだと思います。イースト・ロンドンもいろんな店がバンバン出ては消えてっていう感じで、結局残ったのは〈ラフ・トレード・イースト〉とカレー屋くらいっていう(笑)。でも、ブリクストンの黒人コミュニティが出ていくことは絶対にないと思うんで。そういう移民の黒人の子供たちがいなければ、ダブステップもドラムンベースもなかったし、伝統的な住処っていう点では保たれていくんだと思います。イーストにもありますけど、サウスは規模が全然大きいですから、無くなりはしないのかなと思いますね」

●では最後に、ボー・ニンゲンが次のアルバムに向けて用意している方向性で、関係してくるかもしれない現行のサウンドをいくつか挙げてもらうことは可能ですか?

「他のメンバーも、3枚目以降、結構変わってきてるんですよね。最近、擦り合わせをしようみたいな話になって。『今、どういうのを聴いてんの?』っていうのを、みんなで聴いてみたんですよ。そしたら、結構みんなバラバラというか。昔からバラバラはバラバラなんですけど(笑)」

●でも、それがいいところでもあるからね。

「前にタナソウさんが(ボー・ニンゲンのよさは)ハイブリッド感っていうことを言ってくれてたんですけど。懐かしい感じもあるけど、ビートの部分は新しい、みたいな。そこのハイブリッド感は個人的には保ちたいと思っていて」

●うん。

「個人的な影響でいうと、2、3枚目みたいな、分かりやすい低音カルチャーの影響っていうのはないかもしれないです。ダブステップは良くも悪くも消化しきったというか、うちら的な解釈は2、3枚目でやっていたんで。それよりも、ジューク/フットワークとか、イギリスに入ってきてない音楽、バンドに消化し切れてない音楽ですかね。個人的には、ジューク/フットワークのリズムの自由さというか。でも、玄人好みにだけはしたくないっていうのはあるので。ジャンルはうちらには無いと思ってますし、曲を作っていくと客観的に見れなくなってくるっていうのがあるので、曲ごとに正解がそれぞれ違うというか」

●じゃあ、結構、試行錯誤しながら曲を作っている感じですか?

「今回はあえてチャレンジしたいなと。前まではクラウトロックの影響もあって、長くやってなんぼ、みたいなところがあったんです。だから、前まではヴァイナルだと2枚だったんですけど、それを今回はヴァイナル一枚分にしたいんですよね(笑)。だから、ある意味、イギリス的な戦略の在り方を考えるようにはなってますね。でも、『最近、何を聴いてるか?』って話で、バンドの名前があんまり出てこなかったんですよ。ユウキがナパーム・デスかけたくらいで」

●なるほど

「あとモンチャンが持ってきたのは、アヴァンギャルドなドラマーだったりとか。ロックで聴いてるバンドがイギリスではないので。その上で、イギリスで、バンドとしてどういう音出せるか、っていう課題ですね。今の時代にバンドで出来ることは何なのか? って考えていくと、あんまり型にハマれないんですよね。ロックだったり、サイケだったりっていう。グライムとかも上手く噛み砕いて、バンド音楽に意味を持たせるっていうことにしないといけないんですけど。そうしていくと、サヴェージズの2ndとは真逆で、インフルエンスが見えなくなってしまうんで。ミュージシャンには面白がられるけど、一般には届かない。っていうところで試行錯誤してますかね」

●今は制作の段階としてはどの辺りなんですか?

「曲は出来てるけど、プロデューサーもまだ決まってないんですよね。そこでまた変わるかもしれませんし。それでうちらの意図と引っくり返ったとしても、それはそれで面白いですし。そういう悩みと今、戦っています(笑)」

●今回はプロデューサーを入れるか入れないか、あとポスト・プロダクションでの偶然の事故みたいなものも含めたところが、最終的な仕上がりを左右するのかもしれないね。

「そうですね。僕は基本的にそういうアクシデントから音を生むタイプで。僕が一緒にやってる食品まつりとかも、まさにそれを極めて海外でのプロップスを得れたので。そういうエラーでの奇跡みたいなものも、食品さんとよく話しているんです。でも、バンドでそれを表すとなると、また違ってくるっていうのもあり。コウヘイくんはアートスクールの出身で、作品を作るっていうマインドがありますし。だから、その二つのファクターがどう形に表れるか、ですよね。でも個人的には、アクシデントも見逃さないようにキャプチャ出来たら、って思いますね。そこがうちらの強みでもあるので。それを消さずに、4、5分の曲にパッケージングするっていう勝負でもあるんで。旨味は消さないように、っていう感じですかね」


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