例によって、思いつくままにタイトルを挙げてみたら、映画が4本だったので、配信/TVシリーズをもう少しリストアップしてみると、『Can't Get You Out Of My Mind』『殺戮の星に生まれて』『Reservation Dogs』『マウス』『原潜ヴィジル』、『陰謀論のオシゴト』『ザ・ビートルズ: Get Back』、そして、年末に始まった『Station Eleven』といったところに。
全体を見渡すと、『Black Encyclopedia of the Air』、“telepatía”、『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ』(それに『Station Eleven』)といった、成立をはじめ様々な角度からパンデミックと(の影響)関係を持つ作品が含まれているのが、2021年らしい。それと、例えば、『真夜中のミサ』(の特に、アラン・ワッツの講演内容のような“落としどころ”)と、前年(2020年)の『ミッドナイト・ゴスペル』を並べてみることで、タイトルの類似以上に、「個々人による、通常の自己を超えた何ものかとのつながりの経験」なるものに更新された、今様の“スピリチュアリティ”の存在感/潜在的安定感をまたも強く感じることとなった。それは、評者の個人的関心の範囲とは別次元で既に幅広く意識されているのだろう。
今回、ここに挙げた(アーマンド・ハマーの)ビリー・ウッズとカリー・ウーチス以外のクリエイターによる全ての作品が、1年前にここに並ぶとは予想すらできなかったものなのが楽しい。本当に面白いものは、常に自分のよく知らない(気づいていない)ところにあるわけで……。
〈サイン・マガジン〉のライター陣が選ぶ、
2021年のベスト・アルバム、ソング
&映画/ドラマ5選 by 照沼健太
「〈サイン・マガジン〉のライター陣が選ぶ、
2021年の年間ベスト・アルバム、
ソング、ムーヴィ/TVシリーズ5選」
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2021年
年間ベスト・アルバム 50