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  • No Shade In The Shadow Of The Cross Sufjan Stevens by SHINO OKAMURA February 27, 2015 1
  • Bored In The USA Father John Misty by SHINO OKAMURA February 27, 2015 2
  • Happy Carrot Health Food Store Sonny & The Sunsets by SHINO OKAMURA February 27, 2015 3
  • Scout1 Tyondai Braxton by SHINO OKAMURA February 27, 2015 4
  • On Fire goat by SHINO OKAMURA February 27, 2015 5
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    この一曲でもう今年のベスト・アルバムが決まってしまった!去年はサン・ラックス、セレンゲティとのユニット=シシファスでアルバムを出すなど、2010年代以降のハイブリッドな作風を継続させていた印象だったスフィアン。まもなく到着するニュー・アルバム『キャリー&ローウェル』は完全なアコースティック・アルバムで、歌詞も田舎に暮らす家族をテーマに、10代の頃のアンビヴァレントな気持ちを綴ったような作品になりそう。“十字架の影の中に隠れる場所はない”という反キリスト教ともとれるタイトルのこの先行配信曲も、たった一人の恋人への一途な愛と、田舎の死臭漂うゴシックな風景とを交錯させた不気味な歌詞が、メランコリックな旋律と震えるような歌声の中で息づいた一曲だ。ヴォーカルの録音も素晴らしい。

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    新作のニュースがなかなか伝わってこないフリート・フォクシーズの代わりに、来日公演を最後に脱退したジョシュ・ティルマンのソロ・ユニットの二作目『アイ・ラヴ・ユー・ハニーベア』が到着。内容は厚みあるコーラスと丹念なアコースティック・サウンドを重ねた箱庭フォーク・ポップスさらに極まれり!といったところだが、この曲に関しては歌詞が強烈。スプリングスティーンの“ボーン・イン・ザ・USA”のオマージュのようにも見えるタイトルだし、静かなピアノの弾き語りに始まる曲調からは全く想像できないが、現在のアメリカ国家や政府への批判が直接的な言葉で凛々しく放たれる。ストリングスまで入ってきてさらにムードたっぷりになるところで、無駄な教育とサブプライム・ローンについてユーモラスに歌う彼。背後では笑い声が漏れる。フリート・フォクシーズのロビン・ペックノールドと相容れなかったのはこうしたアイロニーだったのかも。

  • 昨年12月に来日公演を実現させたソニー・スミス率いるソニー&ザ・サンセッツの新作が〈ポリヴァイナル〉から届いた。音程を顧みないヴォーカル、適当なハンドクラップ挿入、アンサンブルの何たるかを無視したようなバランスの悪い演奏、曲調の突然の変化……そのデモのようなロウ・クオリティを前にひたすら笑いがこみあげてくるが、底辺にはブラック・ミュージック指向がほんのり。それにしても、マック・デマルコ、ホームシェイク、トップス、そしてこのソニー・スミスといった、奇しくもここ数ヶ月で来日公演が続いた彼らの作品、活動からは、かなりハッキリした確信犯的な意図が伝わってくる。“Weird”な音、それがどれほどの破壊力を持っていることか、と。

  • 新時代のオーケストラル・ポップのような趣もあった09年の大傑作『セントラル・マーケット』から6年。5月に〈ノンサッチ〉に移籍しての新作がリリースされることが発表されたが、先行で配信販売されたばかりのこれは、バトルズ時代を思い出させるトライバルなビートにアナログな電子音が不規則に重なり合って不穏な空気を粛々と醸し出す、少なくともメロディを軸にスコアが組まれたような前作とは全く様相の異なる展開を持った曲だ。パーカッションを激しくも寡黙に打ち鳴らす一方で、不協かつ不気味な電子音で蜂や蟻のような虫の大群がジワジワと侵蝕してくる風景を描いたような9分半。ママディ・ケイタとスティーヴ・ライヒが共演したようなその対比がなんとも鮮やかで、前作を愛聴した者としてはまだ戸惑いもあるが、とりあえずアルバムへの期待が高まる。

  • 大阪在住で自らカセット専門レーベル=〈birdFriend〉を運営もしている日野浩志郎率いるgoatの2作目は1st以上に強力だ。日野自身のギターも、他にpenoや狂うクルーなど多くのバンドに関わっている安藤暁彦のサックスも、勿論ドラムもベースも同じリフを、固くミュートをかけた音で繰り返し黙々と反復しながら、最終的に全ての音をパーカッシヴでリズミックなものへと展開させるそのスマートな試みはこの先行発表曲でも顕著。ストイック転じてホット。関西のアンダーグラウンド界隈の最重要人物……ではあるが、もはやオーヴァーグラウンドだろうがなんだろうがどこに出てもグローバルな音として通用するはず。これほど洒脱で現代的なことをやっている生バンドを私は他に知らない。去年のアート・リンゼイの京都公演でも主役を食う勢いで大喝采を浴びてたっけね。

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