去年と変わらず、ダウナーな歌ものばっかり聴いていたかも。ただスフィアン新作が一番フィットしたのは、どうしたってより情緒不安でスピで、大袈裟になりがちな2020年だったということでしょう。特に12分も続く最終曲“アメリカ”は、大統領選に振り回された最後の2か月って感じです。ある意味、陰謀論やカルトにハマった人たちとなんら変わらない。そんなきつい状況でできるのはただ、もっと感情と知識のチャンネルを増やすことだけで、それが今後の課題です。オーウェン・パレットのように、何十年もかけて内面の妄想を築き上げていく姿にも憧れます。もうそれって言い訳したり自嘲したりしないでいいんじゃない、と。一方で女性アーティストの物語には想像力を刺激され、映画では同調圧力に負けないヤングな人々に勇気づけられました。サイケデリックに生きるために、ファック・マジョリティ。
〈サイン・マガジン〉のライター陣が選ぶ、
2020年のベスト・アルバム、ソング
&映画/ドラマ5選 by 木津毅
「〈サイン・マガジン〉のライター陣が選ぶ、
2020年の年間ベスト・アルバム、
ソング、ムーヴィ/TVシリーズ5選」
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2020年
年間ベスト・アルバム 50