最近はもう流行りの曲しか聴いてないな~、と思ってアプリ開いたら、2019年に一番聴いたアルバムはニック・ケイヴ、それにミカ・リーヴァイのサントラ『Monos』でした。傾向は思ったよりパーソナライズされています。ただダウナーなものしか信用できない、でも現実に直面するのには勇気がいる、というのは全体的な傾向でもあるはず。その姿勢は特に配信で映画やドラマを見るタイミングにも繋がっていて、『チェルノブイリ』と『ユーフォリア』を見ずに2020年は迎えられない、とわかっていても、メンタル・ヘルス的条件が整う瞬間がなかなか見つけられない人も多いのでは。私はそうです。まあドラマ『アンビリーバブル』のように、見ればタフさをもらえるはずなんですけどね。つまりはもう、政治や社会のイシューというより、すべては「生きていていいのか」という問いと、「生きていていい」という気づきが交互にやってくるのを見ているだけ、という気にもなってきます。あと、2020年はポップ・アイコンがどんどんノンバイナリー的になったとき、それが音楽にどう反映されるのかに興味があります。
〈サインマグ〉のライター陣が選ぶ、
2018年のベスト・アルバム、ソング
&映画/ドラマ5選 by 荏開津広
「〈サイン・マガジン〉のライター陣が選ぶ、
2019年の年間ベスト・アルバム、
ソング、ムーヴィ/TVシリーズ5選」
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「2019年 年間ベスト・アルバム 50」
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