>>>2016年のベスト・アルバム5枚
>>>2016年のベスト・ソング5曲
2016年。個人的にこれほど音楽との向き合い方が変わり、混乱した年はなかったと思う。5枚と5曲という非常に限定的なものながら、おそらく上記のランキングからもその戸惑いと興奮と寂しさが伝わるのではないだろうか? ベストソングの1位と3位以外は超超超普通だと思われるだろうし、おそらくは自分に期待されるものとはギャップがあるだろう。この個人ベスト企画におけるひとつの読み物になるか不安である。だがこれが2016年を振り返るひとつのヒントとなるのは間違いないはずだという確信もある。
「ポップが先端となり、中心となった時代」かもしれない。しかし見方によっては「ポップとアンダーグラウンドが溶け合った時代」とも言えるだろう。だが、カニエ・ウェストがジャスティン・ヴァーノンをフィーチャリングしていたことを、ソランジュが2012年にグリズリー・ベアのクリス・テイラーによる〈テリブル・レコーズ〉からシングルをリリースしていたということを、思い出してみれば、何もこれは2016年に急に始まったことではない。00年代後半から始まっていた流れが、ようやく実を結んだのだ。
そしてこれは始まりでもある。ポップ・ミュージック誕生以来のひとつな大きな流れが終わり、これまで見たことのない時代が始まるのだ。きっとたくさんの血と涙が流れるだろうが、きっと楽しいこともたくさんある。だから、一人きりで、君と二人で、ときにはフォーメーションを組んで、大洪水をサーフィンして行こうじゃないか(オディレイ!)
〈サインマグ〉のライター陣が選ぶ、
2016年の私的ベスト・アルバム5枚
&ベスト・ソング5曲 by 河村祐介
2016年
年間ベスト・アルバム 75