国外の音楽に輸入盤ソフトで接しているのなら、新作映画やTVドラマも同様の速さで、ってのを昔から可能な限り実践中。で、ここ数年は時間差が縮む一方。その感覚で捉えると、ドラマでは、昨年の『ブラック・ミラー』がファーザー・ジョン・ミスティなどの楽曲(やMV)に、『インセキュア』がセザの『Ctrl』に、そして、『Love & Hip Hop』がカーディ・Bその人に、とどこかで確実に繋がっていた。
一方、今年、毎週目が離せなかった『ツイン・ピークス The Return』や『The Deuce』は、どちらも過去の同じ製作陣によるTVドラマ史上の傑作との繋がりのほうが強そう。と偉そうなことを言っているくせに、『鳥類学者』と『ノクトラマ/夜行少年たち』は、昨年の東京国際映画祭での見逃し作品。旧作では、1975年の映画『Le Orme』に戦慄した。
旧作といえば、1980年作品『Le Lac des Morts Vivants』のサントラが今年初音盤化。テーマ曲は『ナチス・ゾンビ/吸血機甲師団』なる邦題とは真逆でなんと優美なこと。80年代と言えば、デュア・リパの“ニュー・ルールス(イニシャル・トーク・80s・ルールス・リミックス)”は、その中盤に流行ったハイエナジー・イタロあるいはイタロエナジー(要はbpm遅めのハイエナジー)を参照してはいるけれど、絶妙に2017年らしき音色を確認。確認と言えば、ウイークエンドの“アイ・フィール・イット・カミング”を今年のフレンチ・ポップス代表ジュリエット・アルマネが“Je Te Sens Venir”と題し、テンポを落し、よりメロディアスに、仏語で歌い直してみると、これがまたしっくり、作者がダフト・パンクだしショパンぽいコードも欧州風だなとあらためて。Spotifyの「あなたの2017年まとめ」によると、トップ・ソングは“デスパシート”。今年も、すげえ大衆的なポップ音楽が大好きという結果に。そう、Spotifyのおかげで、「ゴスペル」という大衆音楽を聴く機会も増え、超大ヒット曲“チェンジ・ミー”も身近に。
〈サインマグ〉のライター陣が選ぶ、
2017年のベスト・アルバム、ソング
&映画/ドラマ5選 by 小野島大
「サイン・マガジンのライター陣が選ぶ
2017年の年間ベスト・アルバム/
ソング/ムービー/TVドラマ5選」
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「2017年 年間ベスト・アルバム 50」
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