2018年、楽しかったですね。ここ数年は音楽を取り巻く環境があまりに激動的で、昨日まで信じられていた価値観が今日には疑わしくなっているなんてことも少なくなく、ナーバスになっていた部分も多々ありました。でも、さすがにそれにも慣れたのか、どうでも良くなってきたのか、2018年は次から次へとリリースされる作品を聴いては忘れ、聴いては忘れ。そんな居合い切りのような聴き方が快感になってきたかもしれません。
……しかし、こうして上で選んだベスト・アルバムとベスト・ソングのリストを眺めてみると、そんな矢継ぎ早な聴き方の中で忘れなかった作品だらけ。アルバムはトータル感の強い作品で、ソングは胸に深く刺さったものばかりです。
“「文脈を共有できない」という文脈”が生まれたのだと捉え、強烈なヒット曲や話題曲を最低限の目印としてそれぞれの視点をシェアし合えばいいじゃん?……そう割り切り始めた自分もいますが、逆に「個人の熱狂」こそが点と点をつなぐ役割を担うようになり、その価値が飛躍的に上昇すると感じている自分もいるのです。
つまり、2019年は、カニエ・ウェストを自分だと思い込みながら『Yandhi』を聴いて真夜中に突然号泣しつつ窓を突き破って地面に落ちたり、ジャスティン・ビーバーの新作が出るのが待ちきれなくてほふく前進で日本一周をしたり。そういう感じでやっていこうと思います。
〈サインマグ〉のライター陣が選ぶ、
2018年のベスト・アルバム、ソング
&映画/ドラマ5選 by 辰巳JUNK
「〈サインマグ〉のライター陣が選ぶ、
2018年の年間ベスト・アルバム、
ソング、映画/TVドラマ 5選」
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「2018年 年間ベスト・アルバム 50」
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