SIGN OF THE DAY

サインマグの各ライター陣が本音で選んだ
〈サマーソニック〉お薦めアクト・トップ5
その①:キュレーション by 青山晃大
by AKIHIRO AOYAMA July 03, 2014
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サインマグの各ライター陣が本音で選んだ<br />
〈サマーソニック〉お薦めアクト・トップ5<br />
その①:キュレーション by 青山晃大

今年の〈サマーソニック〉もほぼラインナップが出揃った、全貌が見えてきた――ということで始めましょう。『サイン・マガジン』の各ライターが、ヘッドライナーのアークティック・モンキーズとクイーン&アダム・ランバート以外の出演者からレコメンドを紹介していく、短期連載のキュレーション企画。なんでヘッドライナー以外なの? という点や、今年の〈サマーソニック〉に関する諸々は、こちらの扉ページをご覧あれ。『サイン・マガジン』のクリエイティヴ・ディレクターこと田中宗一郎が、あれやこれやと書いております。なるほどなーという感じですが、それを頭に入れていてもいなくても、ライター諸氏のキュレーションは、いろんな形でそれぞれの個性や性格が滲み出たものになっているので、きっと楽しんでもらえるはず。自分と気の合う書き手のセレクトを参考にするもよし、まったく違った視点からのセレクトを楽しむもよし、です。それでは早速行ってみましょう。まず第一弾は青山晃大くんからスタート!(小林祥晴)



5. Azealia Banks

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2012年初頭にはブレイク確実のブライテスト・ホープだったはずなのに、ツイッター上で色んなアーティストとビーフを繰り広げている内にメジャー・レーベルをドロップアウト。今では単なるお騒がせ女と化してしまった感があるアジーリア・バンクスですが、2012年の夏に公開したミックステープ『ファンタシー』や、昨年アップされた新曲“ヴィーナス”が相変わらず素晴らしい出来だっただけに、現状は本当にもったいない。レーベルを辞めてリリースの予定が全く白紙になったデビュー・アルバムをリークするという話も出ているようなんだけど、正直なところ、彼女にはきっちりとした土俵に立って活躍して欲しいんだけどな。今回のライヴで、これからの彼女の行く末も見えてきそうなので、括目して見届けたいと思います。

4. Charli XCX

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インディとメインストリーム両方のファン層を虜にしながら注目度を上げている若きポップ・スターのアメリカ代表がスカイ・フェレイラだとすれば、イギリス代表は間違いなくこの人。サントラ提供曲“ブーム・クラップ”がアメリカでも受け入れられ、ゲスト参加したイギー・アゼリアのシングル“ファンシー”は目下大ヒット中。薄っすらダークでアンニュイなシンセ・ポップの趣きだった昨年リリースのアルバム『トゥルー・ロマンス』から、昨年末~今年にかけてヒップホップ界隈と結び付きを強めることで音楽性にも佇まいにも化学変化が起こりつつある。今回はソニック・ステージでの出演ですが、この規模で彼女のステージが見られるのはこれで最後になるかもしれません。

Charli XCX / Live In Budapest


3. Banks

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オルタナティヴなR&Bシーンの新鋭として話題の女性シンガー、バンクスは9月にデビュー・アルバム『ゴッデス』のリリースを控えての初来日。ミニマルでダウナーな音楽性から、これまでは「女性版ザ・ウィーケンド」とでもいうようなイメージが強かったけれど、既リリースの楽曲を手掛けているソンやシュロモの他にトータリー・エノーマス・エクスティンクト・ダイナソーズやジェイミー・ウーンらが参加しているというアルバムのクレジットを見る限り、アルバムはもっと多彩なビートが詰まった代物になりそうな予感。ライヴではアリーヤやローリン・ヒルのカヴァーも披露しているようなので、〈サマソニ〉のステージではその辺りのセンスにも注目したいところ。

Banks / Ex Factor (Lauryn Hill cover)


2. Sky Ferraira

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ダイヴやアリエル・ピンクといった面々とつるみながら、マイリー・サイラスの全国ツアーにも帯同。多くの人が抱きがちなインディとメインストリーム・ポップの対立項なんてまるで知ったこっちゃないと言わんばかりに、現ポップ・ミュージック・シーンの中でも異質なクールさを振りまいている現代のデビー・ハリーことスカイ・フェレイラ。2月にマイリーのオープニング・アクトとして前座出演した際、ステージ上から落下して右足を60針も縫う大怪我を負うという事故にもあったものの、自分のインスタグラムにアップした事故直後の写真さえもあり得ないほどにクールでした。昨年の〈フジ・ロック〉に出演したダイヴについて来日し、ステージ上で写真を撮ったりしていたことは一部では有名な話だけど、ライヴを行うのは今回の〈サマーソニック〉が日本初。金髪だった頃は少女のような無垢な表情とビッチ感が同居する、どこか儚げな佇まいだったけれど、現在は黒髪になって貫禄と色気が倍増してます。

Sky Ferreira / 24 Hours (Live)

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1. Robert Glasper Experiment

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ジャズが骨董品じみた音楽ジャンルのように見えていたのも、今は昔。例えば〈ブレインフィーダー〉周辺がジャズと密接な関係を持ち、ヒップホップやR&Bとも絡み合いながら尖鋭的なビート・ミュージックをクリエイトしているのと同じように、現在のジャズ・シーンにも古臭い慣例に囚われることなくジャンルを越境しようとする気鋭のアーティストが多数いて、その筆頭こそがロバート・グラスパーだ。彼の実験的なプロジェクトであるエクスペリメント名義では、ラッパーやR&Bシンガーをゲストに迎えて大きな括りとしてのブラック・ミュージックの可能性を追求。その成果である2012年の『ブラック・レディオ』は、グラミー賞のベストR&Bアルバムにも輝いたひとつの金字塔だった。前回の来日は若者には少し敷居の高いイメージのあるブルー・ノート東京が会場だっただけに、今回の〈サマソニ〉でカジュアルにライヴを体験出来るのはとても嬉しい。当代一の超絶ドラマー、クリス・デイヴが昨年プロジェクトを抜けたのは少し残念だけど、それでもなお素晴らしいスキルを持つプレイヤー同士が織りなすアンサンブルに酔いしれたい。



サインマグの各ライター陣が本音で選んだ
〈サマーソニック〉お薦めアクト・トップ5
その②:キュレーション by 小林雅明
はこちら。


「さて〈サマーソニック2014〉なんですが、
果たしてアークティック・モンキーズ以外に
見どころはあるのか? 検証してみますよ。」
はこちら。

SUMMER SONIC 2022 公式サイト 2022年8月20日(土)・21日(日)の2日間開催!TOKYO/OSAKA

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