ものの本では既にお馴染みの映画2作が、とうとう日本で劇場公開されたことで記憶される2022年(ということで、どちらも1位)の約3分の1以上に及ぶ18週にわたって、つきあえた『アトランタ』S3&S4が、自分のなかのひとつの基準になってしまうと、興味は、他の誰も試していなかった表現がひとまず成功した作品に傾いてしまう単純さから、3、4、(アニメの)5位を選択。音楽に関しても、ラップ表現においては、むしろ当たり前とされる「間テクスト性(インターテクスチュアリティ)」を、あらためてリスナーに意識させ、作品に対して極めて能動的な立場に追い込みながらも、「作者」の居場所も消滅させないビリー・ウッズのスタイルが、いよいよアルバム単位で成功した『Aethiopes』にすっかり圧倒された。3位以下は、2022年リリースのリイシューで(ほぼ)初めて聴いた、ダフト・パンクのトマの父の手がけた作品集コンピや復刻サントラや20数年前の作品。そんななか、ベスト・ソングの3位は完全に例外。自分が過去に対面した全音楽/映画人の中で唯一こちらからサインと握手を求めてしまった故アニタ・ムイの伝記映画/TVシリーズ『アニタ/ Anita』(期せずして激しい喪失感に襲われてしまった!)の主題歌として2022年に再注目された既存の楽曲。〈サイン・マガジン〉の個人年間ベストの総評、最後まで一本筋の通ったものを書けなかったけど、こういう聴き方や見方なので、しようがないのかな、と。
〈サイン・マガジン〉のライター陣が選ぶ、
2022年のベスト・アルバム、ソング
&映画/ドラマ5選 by 伏見瞬
〈サイン・マガジン〉のライター陣が選ぶ、
2022年の年間ベスト・アルバム、
ソング、ムーヴィ/TVシリーズ5選
2022年
年間ベスト・アルバム 50