＞＞＞2016年のベスト・アルバム5枚
＞＞＞2016年のベスト・ソング5曲
2016年「も」ポップ・ミュージックは面白かった。
ただ、〈サインマグ〉のベスト・アルバム企画で話題になっていたカニエやチャノ、ビヨンセ、フランク・オーシャンといったアフロ・アメリカンのアーティストの横断的なアプローチは、2012年～2013年に発表されたそれぞれの前作の延長線上にあったように思う。
個人的に、2016年のポップ・ミュージックで印象に残ったのは、社会状況の変化とのコントラストによって浮かび上がってきたものだ。
日本時間で11月9日の午前中、ノートブックを開いて、まぁ、結局はヒラリーが勝つだろうし、とりあえず、フロリダの当確を見届けて仕事に戻ろうと思っていたら、じわじわと勝利確立がトランプの方へ振れていった時のあの現実と乖離していくような感覚は忘れられない。それは、何処か2011年の3月11日とも似ていた。
一方、選挙期間中から、多くのラッパーやシンガーが精力的にリベラルなメッセージを発信していったが、音楽的には、社会から逃避するような、リル・ヨッティ周辺の幼児退行的な世界観だったり、21サヴェージとメトロ・ブーミンの鬱々としたトラップだったりが面白く思えたのである。もしくは、Alternative factsとしてのポップ・ミュージック。
ルポルタージュの取材で訪れた川崎の多文化地区・桜本のコミュニティ・センターで、日系ブラジル人の少女が、「私が落ち込んだ時に、夜空を眺めなら聴くリストを教えてあげるよ」と言ってiPhoneのスピーカーのちゃちい音で鳴らしてくれた、日本のラップ・ミュージックの数々も忘れられない。帰り道、この国でいちばん空気が汚いと言われる川崎臨海部の夜空に幾つかの星を見つけた。
〈サインマグ〉のライター陣が選ぶ、
2016年の私的ベスト・アルバム５枚
＆ベスト・ソング５曲 by 天井潤之介
2016年
年間ベスト・アルバム 75
December 26, 2022〈サイン・マガジン〉のライター陣が選ぶ、
2022年のベスト・アルバム、ソング＆
映画／TVシリーズ５選 by 伏見瞬
December 31, 20222022年 年間ベスト・アルバム
1位～5位
December 19, 20132013年 年間ベスト・アルバム
11位～20位
