「一に女、二に女、三、四も女で、五も女」みたいな、僕の音楽リスナー人生において、経験がなかったような年だった。とにかくどのジャンルも女性がリードしていたとしか思えなかった。まあ、2018年に急に始まったことではなく、ここ5年くらいからずっと存在していたことではあるけれど。今や、エレキ・ギターの購買者も半分は女性で、インディ・ロックでも目立つのはほとんど女性。やはり今は女性の方が男性よりも「ありきたりのダンス・ポップなんかじゃ、自分たちの価値観なんて代弁されない」という、オルタナティヴな意識が芽生えやすくなっているのかも。個人的にはライオット・ガールズ前後からオルタナティヴ・ガールズの応援はしているけれど、本来、音楽にジェンダーは関係ないと思っているので、野郎達にも頑張ってほしい。
あと、映画で『アリー/スター誕生』や『ボヘミアン・ラプソディ』と、「生の歌の魅力」で聞かせる映画が年に2本も流行ったというのも、すごく珍しいことだった。人々の潜在的な意識の中に、そうした昔ながらのトラディショナルかつフィジカルな温かみのあるものへの憧憬が刺激され始めたりしているのか。そこにベッタリ注目したいとまでは思わないものの、決して無視はできない兆しのような気もし始めている。
〈サインマグ〉のライター陣が選ぶ、
2018年のベスト・アルバム、ソング
&映画/ドラマ5選 by 八木皓平
「〈サインマグ〉のライター陣が選ぶ、
2018年の年間ベスト・アルバム、
ソング、映画/TVドラマ 5選」
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「2018年 年間ベスト・アルバム 50」
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