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総力特集:
ゼロ年代を変えたストロークス
その頭脳、ジュリアンの頭の中
by YOSHIHARU KOBAYASHI October 31, 2014
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総力特集:<br />
ゼロ年代を変えたストロークス<br />
その頭脳、ジュリアンの頭の中

実はストロークスはかなり奇妙奇天烈なバンドなのでは? 薄々誰もが感じていたそんな疑念は、その頭脳=ジュリアン・カサブランカスのソロ第二作『ティラニー』によって確信に変わった。この特集はこれを機に、ストロークスと彼の本質に迫ろうとするものだ。

一体これは何なのか? ジュリアン・カサブランカスが新バンドのヴォイズを引き連れて作り上げた『ティラニー』を前にすると、まずは誰もが呆気に取られるしかない。ブラック・フラッグやミスフィッツなどのハードコア・パンクを通奏低音としながらも、どこまでも過剰に支離滅裂な音が切り貼りされて積み重なっていく、60分強の禍々しい音塊。これは革命的な大傑作か? はたまた野心が空回りした大失敗作か? 最早それさえも判別不能。良いのか悪いのかわからない。答えなど到底出せないだろう。しかしだからこそ、とんでもなくエキサイティングな作品である。ただひとつ確かなことがあるとすれば、それだけだ。

まったくジュリアンは、とんでもない発明品を作り上げてしまった。という感じだが、よくよく考えてみれば、そういったところはストロークスの初期から一貫して変わっていない。これまでもずっと、ジュリアンとストロークスは、世間一般からすれば「とんでもない」アイデアを形にし続けてきた。『ティラニー』はそんなジュリアンの資質がもっとも明快な形で刻まれた作品であり、それゆえに彼の真骨頂とも言えるだろう。

『サイン・マガジン』では、この世紀の怪物作を様々な角度から捉えようと試みている。ジュリアンとヴォイズのメンバーへのインタヴューを始め、関連記事へのリンクを以下にまとめておくので、この作品に自分なりの文脈を見つけるための手掛かりとして読んでもらいたい。




常に予想の斜め上を行くアイデア・マン、
ジュリアン・カサブランカスのソロ2作目は
またしても凄いことになっていそうな雰囲気



誰も見向きもしない軒下の粗大ゴミを黄金に
変えるポップ錬金術師=J・カサブランカス。
『ティラニー』で結実した彼独自の方程式を
ストロークスの歴史と共に検証します。前編



誰も見向きもしない軒下の粗大ゴミを黄金に
変えるポップ錬金術師=J・カサブランカス。
『ティラニー』で結実した彼独自の方程式を
ストロークスの歴史と共に検証します。後編



ジュリアン・カサブランカス渾身の新作に
『ピッチフォーク』が4.9点をつけたことに
本気で幻滅した田中宗一郎が綴る
2014年におけるポップの可能性について



ジュリアン・カサブランカス interview
「安心と慰めに対するプロテスト、
未来からのビザールなラヴ・レター」



『ティラニー』合評


その摩訶不思議なセンスの結晶がここに!
〈カルト・レコーズ〉のリリースに見る
ジュリアン・カサブランカスの最新モード

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